韓国、日本と初のFTA…世界経済の30%がつながるRCEP発足(2)


RCEPの発足で今後ASEANなどの地域から輸入する熱帯果物とビールの価格も安くなるものとみられる。ドリアン・パパイヤ・グァバ・マンゴーなどに課される関税(30~45%)を10年にかけて撤廃する予定だ。ビールに課される関税(30%)も15~20年にかけて撤廃する。

ただし、中心的な敏感農産物とされるコメ・ニンニク・玉ネギ・唐辛子などの品目は譲歩対象から外した。仁荷(インハ)大国際通商学科のチョン・インギョ教授は「協定は相互的に行われるのが基本」とし「韓国に不利な品目が外されたとすれば、有利な品目も抜けたと解釈すべきだ」と話した。

RCEPを通じて15カ国を網羅する統一された原産地規範が作られ、証明・申告の手続きも簡素化される。韓流コンテンツの違法複製などの問題を解決する基盤も作られた。著作権・特許・商標・デザインなど知識財産権全般に対する保護規範と侵害の際、民事・刑事手続きなど救済手段も作られたためだ。

限界もある。先進国に比べて製造業の競争力が弱い開発途上国が大勢参加するだけに品目別開放の度合いが先進国中心の他のFTAより弱い。関税撤廃期間も10~20年で長い。直ちに韓国産業に影響を与える構図ではない。

法務法人「広場(Lee & Ko)」のパク・テホ国際通商研究院長(元通商交渉本部長)は「世界貿易環境の不確実性が高まっている中で15カ国が合意して署名を実現したという意味があるが、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)やCPTPPに比べて自由化や国際規範で非常に低い水準で(協定が)行われたうえにインドが抜けることで意味が薄められた」と説明した。

「メガFTA」のRCEP登場で国際貿易の地形図はもう少し複雑になっている。ジョー・バイデン氏の米国大統領当選で再推進の動力を得たCPTPPとの競争構図が避けられないからだ。CPTPPの根っこはバラク・オバマ政府と民主党が主導したTPPだ。ドナルド・トランプ大統領が米国のTPPからの一方的な脱退を決めることで日本主導のCPTPPに変形された。

米国のCPTPP参加は時間の問題という分析もある。中国主導の経済共同体RCEPが本格的に発足することでこれを牽制するためにCPTPPへの復帰を急ぐしかないという見通しだ。光云(クァンウン)大学国際通商学部のシム・サンリョル教授は「日本やベトナムなど他のRCEP国家のように韓国もCPTPPに重複で参加することで貿易規範においてもう一つの『保険』に加入するのが得だ」と話した。

韓国、日本と初のFTA…世界経済の30%がつながるRCEP発足(1)



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