【ワシントン=平田雄介】米国で緊急使用が申請されている新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、アザー米厚生長官は6日、ABCテレビの番組に出演し、食品医薬品局(FDA)が「数日で最初の許可を出すだろう」と述べた。近く医療従事者や高齢者らへの接種がスタートし、来年2~3月までに一般国民向けの供用を開始するとの見通しを明らかにした。
申請が出ているのは米バイオテクノロジー企業モデルナと米製薬大手ファイザーのワクチン。アザー氏は番組で、接種を希望する国民に行き渡るのは「来年の第2四半期(4~6月)になる」と語った。
最初に供給される見通しの約1400万回分は医療従事者や高齢者のほか、老人ホームなど「長期療養施設の入所者に対して優先的に供給される」と話した。
また、次期大統領に就任する見通しとなったバイデン前副大統領が厚生長官に西部カリフォルニア州司法長官のハビエル・ベセラ氏を指名する見通しとなった。ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、同氏はヒスパニック(中南米系)の元下院議員で刑事司法や移民、税制に詳しく、当初は司法長官への指名が取り沙汰されていた。
厚生長官への起用は、米国での新型コロナの累計感染者が1475万人を超える中、カリフォルニア州司法長官として、医療保険制度改革法(オバマケア)を守る訴訟を主導してきたことが評価されたという。