【AFP=時事】中国で4日に初公開された映画『モンスターハンター(Monster Hunter)』が、人種差別的な表現があるとしてソーシャルメディア上で非難されたことを受け、上映開始からわずか数日で公開中止となった。巨大ながら検閲の厳しい中国映画市場における興行に、いかに細心の注意が求められるかが改めて示された例となった。
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問題になったのは、アジア系米国人ラッパーで俳優のオウヤン・ジン(Jin Au-Yeung)さん演じるキャラクターが、仲間に「俺の膝を見て」と話し掛けるシーン。そこで白人男性の仲間が「どんな種類の膝(ニーズ)だ?」と尋ねると、ジンさんが演じる男は「チャイニーズだ」と冗談を言った。
中国のソーシャルメディアでは週末、このセリフが人種差別に当たるとの非難が殺到。「中国人」と「ひざまずかせる」行為との関連性を暗示するようなやりとりに気分を害されたとする指摘が多く、ボイコットを呼び掛ける動きもあった。
エンターテインメント関連のニュースサイト「Deadline.com」によると、中国ゲーム大手の騰訊控股(テンセント、Tencent)とソニー・ピクチャーズエンタテインメント(Sony Pictures Entertainment)と同作を共同制作したドイツのコンスタンティン・フィルム(Constantin Film)は6日、非難を受けた表現について謝罪し、問題のセリフを削除したという。
ただ8日の時点で、テンセントとソニーからの公式発表はない。【翻訳編集】 AFPBB News