バイデン政権、初の黒人国防長官に オースティン・元中央軍司令官指名へ


バイデン政権、初の黒人国防長官に オースティン・元中央軍司令官指名へ

 長官ポストには大統領選中から、オバマ前政権で国防次官を務めたミシェル・フロノイ氏(59)が女性として初めて起用されるとの観測があったが、民主党内左派からシリアやイエメンへの介入など過去の政策や軍需産業との近さを理由に同氏起用に反発があった。

 また多様性を重視する政権の象徴として黒人起用への期待が高まるなか、有力候補に浮上した黒人男性のジェイ・ジョンソン元国土安全保障長官(63)は、長官当時の不法移民の強制送還拡大策などを巡り、議会承認が難航するとの懸念があった。

 バイデン氏は週末にオースティン氏に就任を打診し応諾を得た模様だ。同氏は1975年に陸軍士官学校を卒業し入隊。イラク駐留軍司令官や中央軍司令官として、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討やイラクからの米軍撤収を主導した。40年を超える軍歴と国防総省内外に築いた人脈が評価されている。

 2016年に退役したオースティン氏の長官就任は、シビリアンコントロール(文民統制)の観点から「退役から7年以内」の元軍人の就任を禁じた連邦法の規定に抵触する。議会での承認手続きと並行して、適用除外の特例措置の採決が必要となる。【ワシントン高本耕太】



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