韓国化学研究院研究チームが開発したペロブスカイト太陽電池。[写真 韓国化学研究院]
次世代高効率太陽電池技術を確保するためのグローバル競争で韓国研究陣の活躍が目立っている。韓国化学研究院の研究陣が「ペロブスカイト太陽電池」の効率を大きく高める核心素材を開発し、科学誌「ネイチャー」25日付の表紙論文として掲載された。天然鉱物素材のペロブスカイトで作ったこの太陽電池は、現在主に使われているシリコン太陽電池に比べて価格が安い上に軽く柔軟で、次世代代替エネルギー生産設備として注目されてきた。ペロブスカイト太陽電池の効率性を画期的に高める研究が続いており、商用化時期が早まるものと期待を集めている。
◇世界最高効率記録
生産原価がシリコン電池より20%以上安いペロブスカイト太陽電池の商用化が困難な理由のひとつは既存のシリコン太陽電池より効率が低いという点だった。太陽電池の効率は光を電力に変換する比率である光電変換効率で測定する。シリコン太陽電池の光電変換効率は26.7%水準だ。ペロブスカイト電池の効率は25%を下回る。
韓国化学研究院のソ・ジャンウォン責任研究員による研究チームは今回の研究を通じ面積0.1平方センチメートル基準で25.2%の効率を出すのに成功した。2019年9月に米国の再生可能エネルギー研究所(NREL)が集計した基準で世界最高記録だ。研究チームは当時の研究結果を分析・整理してネイチャーに投稿した。
太陽電池の効率を上げるためには電圧と電流を高めるのが核心だ。研究陣は電圧を高めるために新たな電子輸送層素材を開発した。既存の素材より欠陥が少ない構造で電子の移動をしやすくした。電子がよく移動すれば電池の電圧が高まる。高い電流のために光をさらに多く吸収できる新たな素材合成を見つけた。
太陽電池の商用化に向けては大面積でも高い効率を出すことが重要だ。研究チームは1平方センチメートル素子基準でも23%の効率を記録した。これもまた世界最高水準だ。ソ責任研究員は「今後効率向上がさらに進めば26%以上の効率を出すことも可能で、既存のシリコン太陽電池の最高効率に近づくと期待する」と話した。
◇世界記録更新する韓国学界
韓国研究陣はペロブスカイト研究で最も先を進んでいるという評価を受けている。韓国化学研究院はこれまでNREL集計基準で最高効率性記録を7回塗り替えた。現在の最高記録は昨年25.5%の効率を記録した蔚山(ウルサン)科学技術院のソク・サンイル教授チームが持っている。産業界でもペロブスカイト電池に対する関心が続いている。ハンファソリューションは早ければ2023年にペロブスカイトを活用した太陽電池を生産する計画だ。
短い寿命と低い安定性の問題は商用化の障害だ。ソ責任研究員は「小単位の素子で安定性問題は相当部分改善された状況。追加研究が必要だが商用化の側面で肯定的に期待している」と話した。
今回の研究には韓国化学研究院のシン・ソンシク専任研究員が共同責任著者として参加し、科学技術情報通信部、産業通商資源部、国家科学技術研究会などの支援を受けた。