韓経:「ツーソン・ソレントも危機」…現代車も半導体不足


現代自動車が来年から専用プラットホーム(e-GMP)基盤で開発した次世代電気自動車を出す。左からアイオニック6・7・5のイメージ。 [写真 現代車提供]
現代自動車が来年から専用プラットホーム(e-GMP)基盤で開発した次世代電気自動車を出す。左からアイオニック6・7・5のイメージ。 [写真 現代車提供]

世界的な車載用半導体供給不足が韓国の自動車生産に本格的な打撃を与え始めた。韓国GMが富平(プピョン)第2工場の稼働率を50%に引き下げたのに続き、現代自動車と起亜も特別勤務(週末勤務)を減らしている。社内では工場の稼働を一時的に中断することも検討中という。半導体供給不足でアイオニック5など次世代電気自動車の生産に支障が生じるのではという懸念も出ている。

◆「ツーソン・ソレントも危機」

自動車業界によると、現代車は一部の工場(蔚山第3工場、第5工場など)の3月の特別勤務日程をまだ確定していない。会社側は当分は週単位で特別勤務日程を決めると労働組合側に説明した。車載用半導体の適期供給が不確かであるため、1カ月間の特別勤務日程をあらかじめ確定するのは難しいということだ。これまでは毎月初めに1カ月単位で日程を決めていた。

また会社側は今後、一部の生産ラインの稼働を一時中断する可能性もあると労働組合に伝えたという。起亜は華城(ファソン)工場の3月の特別勤務をなくすことにした。起亜を代表するSUVソレントなどの生産に支障が避けられなくなった。

現代車と起亜は最近、半導体メーカーと直接、物量供給関連交渉をしている。従来は現代モービスやボッシュなど1次協力会社から半導体が含まれた部品の供給を受けていたが、半導体不足で生産ラインが止まる最悪の状況を防ぐために半導体会社と直接接触しているという説明だ。

先に減産に入った韓国GMは3月中旬まで生産を減らすことにした。韓国GMは本社の米ゼネラルモーターズ(GM)から供給される半導体のうち一部が不足すると、2月初めから富平第2工場の稼働率を半分に引き下げた。富平第2工場はマリブやトラックスを生産している。

◆テスラも半導体不足で打撃

半導体不足による自動車生産への支障は世界的に拡大している。トヨタ、フォルクスワーゲン、フォード、ルノー、日産など多くのグローバル自動車企業は最近、半導体不足のため工場の稼働を停止したり、稼働率を低めたりしている。

米国電気自動車企業のテスラも半導体供給不足が避けられなかった。ブルームバーグ通信は消息筋を引用し、テスラが米カリフォルニア州フリーモント工場のモデル3組立ラインの勤労者に生産一時停止を通知したと伝えた。フリーモント工場のモデル3生産停止は先月22日に始まり、今月7日まで続くという。

市場調査会社IHSマーケットは半導体供給不足のため今年1-3月期の自動車グローバル自動車生産規模が約100万台減少すると見込んでいる。コンサルティング会社アリックスパートナーズは今年の世界自動車企業の全体売上規模が610億ドル減少すると予想している。

車載用半導体不足現象は昨年始まった。グローバル自動車企業は新型コロナパンデミック(大流行)のため自動車販売が急減すると予想し、半導体の注文量を大幅に減らした。その間、ファウンドリー(半導体受託生産)企業は家電および情報技術(IT)関連の半導体生産に集中した。

しかし昨年下半期、世界的に自動車販売台数が反騰し、自動車企業は急いで半導体の注文量を増やした。しかし家電企業からすでに数カ月分の注文を受けたファウンドリー企業は生産余力が十分でない。

業界の一部では現代車アイオニック5など次世代電気自動車の生産への支障を懸念している。内燃機関の車には200-400個の半導体が入るが、電気自動車にはこれより100個ほど多い半導体を必要とする。

専門家らは少なくとも今年7-9月期までは車載用半導体不足現象が続くと予想している。今すぐ半導体企業に注文しても生産までに約6カ月かかるからだ。自動車企業は安定性を理由に新規企業には車載用半導体の生産を任せないため、新しい供給先を確保するのも事実上難しい。



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