◆TSMC、米国・日本と「半導体同盟」
これに伴い、主要半導体企業は投資を急増させている。ユアンタ証券によると、インテル・サムスン電子・TSMC・SKハイニックス・マイクロンなど5社は今年設備投資に史上最大の952億ドルを投じる。昨年(743億ドル)に比べて30%ほど増えた。
サムスン電子は2030年システム半導体世界1位達成を提示し、133兆ウォンを投資すると発表したことがある。あわせて大々的なファウンドリ部門の強化に出た。市場調査会社トレンドフォース(TrendForce)によると、昨年グローバル・ファウンドリの占有率はTSMCが54%、サムスン電子は17%だった。だが、今年1-3月期の推定占有率はTSMCが56%、サムスン電子は18%で、事実上、足踏み状態だ。
現代車証券リサーチセンターのノ・グンチャン・センター長は「TSMCの場合、生産能力が月110万枚で、サムスン電子は43万枚水準」としながら「世界1位達成が目標なら設備投資を少なくとも2.5倍以上増やさなければならない」と話した。
◆「タイミング逃して淘汰された日本のようになる」
競争者であるTSMCは今年最大280億ドルの設備投資計画を明らかにした状態だ。特に最近になり、米国と台湾、日本は3国間で「半導体同盟」を結んだ。設計は米国、素材・装備は日本、製造は台湾が引き受けるもので、サムスン電子にとってはさらに不利な情況に陥りかねない。
TSMCの攻撃的な動きとは違い、サムスン電子は170億ドル規模の米国半導体工場投資をめぐって長考している。既存のテキサス州オースティンが有力だが、アリゾナ州フェニックス、ニューヨーク州ジェネシー郡など候補地をめぐり決定を下すことができていない状態だ。
大規模M&Aはさらに難しい。サムスン電子はすぐに現金化できる流動性が121兆ウォン(約11兆6100億円)に達する。最近、車両用半導体の品薄現象が長期化し、業界ではサムスン電子が関連半導体企業のM&Aに出るとみている。だが、サムスン電子が李副会長の獄中経営時期に大規模M&Aを進めた事例がない。
韓国半導体産業協会のアン・ギヒョン専務は「半導体産業は国家間の激しい競争と固い協力が同時にあってこそ発展するが、トップ不在状況のサムスン電子は一種の『仲間はずれ』状態なので懸念される」と話した。
また「1990~2000年代半導体強国だった日本が投資決定スピードが遅れ、当時攻撃的に果敢に投資を敢行したサムスン電子に押し出されて結局半導体市場で淘汰されたことがある」とし「サムスンが意志決定のタイミングを繰り返し逃せばこのような日本の先例の後を追うことになりかねない」と警告した。
競争会社は「日米台3国同盟」結ぶのに…サムスントップの裁判は3年かかる見込み(1)