サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長
サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長のサムスン物産合併、サムスンバイオロジクス不正会計疑惑に対する「獄中裁判」が再開された。李副会長が国政壟断事件によって2年6カ月の実刑を宣告されて1月に拘束収監された中、経営継承関連の裁判をめぐる長期間法廷攻防が予想されてサムスンの司法リスクが続くものとみられる。
◆「不法合併」vs「認定できない」
ソウル中央地裁刑事合意25-2部(部長パク・ジョンジェ、パク・サラン、クォン・ソンス)は11日午後、資本市場と金融投資法に関する法律違反などの容疑で起訴された李副会長とサムスン関係者10人に対する正式公判のための意見を検察と李副会長側から聴取した。昨年10月22日以降、2番目の公判準備期日だった。当初、今年1月に行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の余波で一度延期になった。李副会長らはこの日出廷しなかった。公判準備期日には被告人の出席義務がない。
この日の裁判で、検察はプレゼンテーションを通じて、1時間以上、公訴事実の要旨を説明した。検察は「李副会長と未来戦略室の関連者が李副会長の経営権継承のために行った不法合併、会計不正事件」と話した。検察は2015年、サムスン物産と第一毛織が合併して李副会長が多くの株式を保有していた第一毛織の価値を膨らませ、サムスン物産の価値は意図的に下げたと判断した。
李副会長側弁護団は「すべて正常な合併過程だった」と反論した。弁護団は「合併は事業上必要で、規制環境変化への対応と支配構造の改善、経営権安定化の側面で決まったこと」と説明した。また、サムスン物産の株価は当時持続的な下降線、第一毛織は持続的な騰勢にあったので「合併が違う時点に行われていたら合併比率がサムスン物産にもっと不利になったかもしれない」と付け加えた。
◆「オーナー不在」で大型決定遅滞が懸念
今回の裁判は国政壟断よりも論争イシューがはるかに複雑なうえ、証拠記録だけで19万ページに達するほど事案が大きい。法曹界では判決まで少なくとも3年以上かかると観測している。サムスンと財界に「失われた10年」が現実化するのではないかという懸念の声が出ている理由だ。
もっと大きな問題は、新型コロナ以降に急変する国内外経営状況にサムスンが「トップ不在」で機敏に対応できなくなるというところにある。特にますます激化する台湾TSMCとのファウンドリ(委託生産)競争などで生き残るための大規模投資やM&A(企業の合併・買収)に対する意志決定が遅くなるおそれがある。
専門家は今年半導体の超好況(スーパーサイクル)を予告している。市場調査会社オムディア(Omdia)は、代表的なメモリー半導体であるDRAM市場規模が昨年663億ドル(約7兆1890兆円)から来年は1044億ドルに成長すると予想している。ガートナー・世界半導体貿易統計機構(WSTS)などは、今年世界半導体市場の売上が昨年比8.7%増となる4775億ドル(約540兆ウォン)に達すると予想した。
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