米ITC、今度はSKの手を上げる…「LGの特許侵害していない」


米国際貿易委員会(ITC)は先月31日、LGエネルギーソリューションがSKイノベーションを相手取り提起していたバッテリー分離膜などの特許侵害と関連し、「SKイノベーションは関連特許を侵害していない」という仮決定を下した。これは最近LGの勝利で最終結論が出た営業秘密侵害訴訟から派生した事件で、ITCの営業秘密侵害決定に拒否権行使を控えたバイデン米大統領の選択にどのような影響を及ぼすか関心が集まっている。

◇米ITC「SKはLGの特許侵害していない」

SKとバッテリー紛争を行っているLGは2019年9月にSKがバッテリー素材関連特許4件を侵害したとしITCに提訴した。ある会社が特許を持つ技術は一般的に20年間独占使用できるが、「SKがわれわれの許諾を受けずに技術を使いバッテリーを生産した」というのがLGの主張だった。これに対してITCは今回、「独自の技術を使った」というSKの手を上げたのだ。

ITCの今回の決定は、2月の「SKがLGの営業秘密を侵害した」という判定には公式的な影響は与えない。バッテリーを作るために使われるそれぞれの技術的価値は法律上「特許」または「営業秘密」などに区分されるが、このうちSKの営業秘密侵害を認めた決定はそのまま有効だ。SKはひとまずITCの今回の決定を「特許事件で勝機をつかんだ」として歓迎した。これに対しLGは「営業秘密侵害と全く別個の事件」と一蹴した。

◇バイデン米大統領の拒否権行使に関心

両社の関心は米バイデン大統領の決定に集まっている。バイデン大統領は来月11日までにITCの営業秘密侵害判定に対する拒否権を行使するかを決める。バイデン大統領が拒否権を行使しなければSKはリチウムイオン電池関連部品や素材を米国に輸出入できず、ジョージア州に投資した3兆ウォン規模の工場を稼動できなくなる恐れもある。

SKは今回の特許事件仮決定内容をホワイトハウスに積極的に伝えたいという立場だ。LGの営業秘密を侵害したという判定とは別個の事件だが「LGが競合企業の牽制のために足を引っ張る形で過度な訴訟をしている」という点を強調させるという計算だ。SKイノベーション関係者は「SKは1980年代半ばからバッテリー技術を蓄積してきた。火災安全性、充電量・時間などの性能面で最高の競争力を持っている」と話した。

◇LG「一部を盗んでいないからとすべての容疑を否認してはならない」

LGは「営業秘密侵害加害者と公式に認められたSK側の誠意ある和解の態度が優先されなければならない」という立場を守っている。LG関係者は「SKが盗み出した物(営業秘密・特許)がいくつなのかの問題なのに、そのうちの一部を『盗んでいない』という仮決定が出されたからとすべての容疑を無罪だと主張しようとする態度を理解することはできない」と明らかにした。LGはまた、ジョージア州の地域経済への打撃を懸念する米国の現地世論に対しても「SKがジョージアを離れるならば該当工場の買収に向けた投資に参加するだろう」と宣言した状態だ。

一方この日ITC仮決定によりSKイノベーションの株価は午前に一時前日比12%以上値を上げたりもした。SKは米大統領選挙当時にバイデン候補支持の演説をしたサリー・イエイツ元司法長官を米国事業顧問として最近迎え入れた状態だ。イエイツ顧問は「ジョージア州北東部のSKの電気自動車用バッテリー工場を無力化させるITC判決を大統領は拒否しなければならない」と公開主張し終盤での逆転を狙っている。



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