韓経:「半導体戦争激化、李在鎔サムスン副会長赦免すべき」…韓国経営者総協会会長の苦言


韓国経営者総協会の孫京植会長が14日に韓国経済新聞とのインタビューで各種懸案と関連した意見を明らかにしている。キム・ヨンウ記者
韓国経営者総協会の孫京植会長が14日に韓国経済新聞とのインタビューで各種懸案と関連した意見を明らかにしている。キム・ヨンウ記者

韓国経営者総協会の孫京植(ソン・ギョンシク)会長がサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長の赦免を政府に正式に建議すると14日に明らかにした。世界の半導体覇権競争が広がっているが李副会長が何の役割もできない状況が続いてはならないというのが理由だ。財界主要人物の中で李副会長を赦免すべきと公開的に発言したのは孫会長が初めてだ。

孫会長はこの日ソウルのCJ社屋で韓国経済新聞とのインタビューに応じ、「いまは韓国経済のために李副会長がいつになく必要な時期。(李副会長が)最大限早く経営に復帰できるようにしなければならない」と話した。彼は「各国が半導体産業を育てようと乗り出しており、韓国がいつ『半導体強国』の座を奪われるかも知れないのが現実。サムスン電子が主導権を逃さないようにするなら李副会長が1日も早く経営を陣頭指揮しなければならない」と強調した。

李副会長は1月にソウル高裁で開かれた朴槿恵(パク・クネ)前大統領の知人への贈賄事件の差し戻し控訴審で懲役2年6月を宣告され拘束されている。赦免や仮釈放などを通じて解放されなければ李副会長は刑期が終わる来年7月末まで収監生活をしなければならない。

孫会長は「サムスン電子でグローバル企業家と交流し果敢な投資を決断できる人物は李副会長。世界で半導体戦争が始まったが1年間のんびりと待つことはできない」と指摘した。赦免時期と関連しては遅くとも光復節の8月15日にはされるべきと付け加えた。

孫会長は商法、重大災害処罰法、労働組合法など昨年経済界の反対にも国会で強行処理された法案に対し「企業に無理な負担を与えない方向で修正すべき」として補完立法の必要性を強調した。

特に労組法に対しては「使用者に一方的に不利な『傾いた運動場』だ。政府は労使関係問題で中立を守らなければならない」と声を高めた。

孫会長は最近IT企業で触発された大企業のドミノ賃金引き上げに対し、「大企業と中小企業間、産業間の賃金二極化が心配だ。ここに最低賃金まで過度に上がれば余力がない企業は持ちこたえられなくなるだけに控えるべき」と指摘した。続けて「今年の最低賃金引き上げは最小化すべき」と話した。

◇孫京植会長、企業規制吐き出す政府と政界に「哀訴」

韓国経営者総協会の孫会長は発言に慎重なことで有名だ。荒々しい表現を自制し、政府だけでなく労働界と政界などを直接的に批判することもほとんどない。だが14日に会った孫会長ははばかることがなかった。李副会長赦免など敏感な事案に対しても同じだった。ある側近は「韓国経済が跳躍する機会を逃してはならないという切迫感から声を出したもの」と説明した。

――経済が指標上では回復傾向に転じているが不安感は相変わらずです。

「多くの企業は厳しい戦いを継続しています。内需は依然振るわず、中小企業人と小商工人は持ちこたえるのが難しいと訴えます」

――経済を回復させる方法は何ですか。

「企業が創意性と自律性を発揮する環境を作り、企業家のやる気を起こさせなければなりません。不必要な規制をなくすことが最も大きい宿題です」

――相続税が議論になっています。

「最大60%に達する相続税率は企業家にとても多くの負担を与えます。世界最高水準の相続税が企業家の意欲を失わせる問題も生じます。税率を合理的に下げるべきです」

――創業を夢見る人たちは規制のために苦しんでいます。

「果敢に解決しかなければなりません。企業が工場を新しく建てて雇用を創出するといっても規制で息詰まるのが話になりますか。ところが既存の規制をなくせないどころか、たびたび新しい規制を作っていて心配です」

昨年国会を通過した各種法案に対する質問を投げた。孫会長は当時、商法、公正取引法、労働組合法、重大災害処罰法などに対し強く批判したが、法案処理を防ぐことはできなかった。

――重大災害処罰法がついに通過しました。

「英国ではこれと似た法律が制定されるのに13年かかりました。韓国はまともに議論もせずあっという間に法律を作ってしまいました。施行令などを通じて補完しなければなりません。さらには法律自体を改正しなければなりません」

――どんな方向で改正すべきですか。

「ある企業は事業所が100カ所を超えます。代表理事や責任者がどうして全員を取りまとめられますか。死亡者が1人発生すれば個人処罰、法人罰金、懲罰的損害賠償の責任、安全教育受講の4重制裁が科されます」

――労組法も昨年処理されました。

「現在の労組法は過去に労組の力が弱い時に作られました。いまはどうですか。むしろ使用者が弱者になりました。こうした状況で昨年労働界が望む方向のまま労組法が改正されました。再び変えなければなりません」

――どのような条項が追加されるべきですか。

「使用者だけ不当労働行為で処罰される条項を変えなければなりません。労組が使用者を攻撃する事例は多いのに不当労働行為で処罰を受けません。労組がストをする時に使用者の防御権も保障しなければなりません。ストライキ時の代替労働を認めなければなりません」

――企業家は「司法リスク」が大きいと訴えます。

「経済関連法令285件を調査してみると企業の刑事処罰項目が2000件以上です。このような環境で企業家精神が生まれるでしょうか。グローバル企業の役員は韓国に来るのを敬遠するといいます。いつ法律違反者になるかわからないという理由からです」

――李在鎔副会長を赦免すべきという声もあります。

「各国が半導体産業を育てようと駆け回っています。米国はバイデン大統領が直接乗り出すほどです。今後半導体産業がさらに重要になるということはだれもが知っている事実です。ところが韓国を代表する半導体企業を導く李副会長の手足は縛られています」

――どのようにすべきですか。

「未来の半導体主導権を奪われないかとても心配です。李副会長の刑期が終わる来年までのんびりと待つ時間はありません。近く政府に赦免を正式に建議するつもりです」

――「政治リスク」に対する懸念も大きくなります。

「大統領候補は経済が生きてこそ国が生きるという事実を知ったら良いでしょう。票を意識して政策を作ればその負担はそのまま経済に戻ってきます。むやみに金融を緩和するという考えを引っ込めたら良いと考えます」

孫会長は経済界最大の話題に浮上した賃金引き上げに対しては心配だという反応を見せた。

――多くの企業で賃金引き上げ要求が激しいです。

「そうでなくても企業間の賃金格差が大きい状況がさらに深刻化しないか心配になります。賃金水準が高い大企業は過度な賃金引き上げを自制すべきと考えます」

――一部企業の社員は賃金に不満です。

「年功型賃金体系が根本原因です。勤続期間により賃金が決定されるため不合理な側面があります。職務と成果に基づいた賃金体系を導入すべきですが、労組の反対で容易ではありません」



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