釜山南区の戡蛮埠頭と神仙台埠頭にコンテナが積まれている。ソン・ボングン記者
先月輸出が前年比大幅に増えて3月に続いて4月にも月間基準で過去最高を更新した。2日、産業通商資源部が発表した「4月輸出入動向」によると、先月輸出額は511億9000万ドル(約5兆6000億円)で、昨年同月比41.1%急増した。4月基準では歴代最も多い金額だ。
輸出増加幅も劇的に反騰した。昨年4月韓国輸出は新型肺炎拡散の影響で前年比24.3%減少した。米国発金融危機の余波があった2009年5月(マイナス29.4%)以来最大の落ち幅だった。だが、先月にはこのような基底効果をはるかに超えて2011年1月以降10年ぶりに最も高い上昇率を記録した。
このような輸出上昇の勢いは一時的な現象でない。昨年11月以降6カ月連続で成長の勢いを継続している。輸出額では3月に続き、2カ月連続で500億ドルを超えた。半導体の好況で年間輸出最高値を記録した2018年以来初めてだ。1~4月累積輸出額も1977億ドルと歴代最も多い。
品目別には、半導体(30.2%)・無線通信機器(79.9%)のような情報技術(IT)品目は先月にも依然として良い実績を見せた。
さらに、その間振るわなかった鉄鋼(39.0%)・一般機械(17.0%)・石油化学(82.6%)・石油製品(96.4%)・繊維(46.5%)など中間材の輸出も大きく増えた。
最近、ワクチンの効果で米国・欧州など主な貿易国の景気が生き返ったことが輸出上昇の勢いを導いた。主力品目である半導体・自動車も好調だった。供給不足で価格が上がった半導体(93億4000万ドル)と新車販売の好調を見せた自動車(41億5000万ドル)はいずれも4月を基準に過去2位と3位の輸出額を記録した。先月小幅に減少したディスプレイ(43.5%)すら前年の基底効果で上昇傾向に転じた。このため、先月15大主力輸出品目全部が前年比輸出額が増加した。また、中国・米国・欧州連合(EU)など9大輸出地域で全部前年同月比輸出額が上昇した。
このような輸出増加傾向は今後続く可能性が大きい。ワクチンの普及が本格的に進められ、世界景気回復の動向が強いためだ。ただし、最近再び深化しつつある米中貿易葛藤とこれによる半導体など主な製品サプライチェーン再編の動きも負担になる。また、急激な景気回復により不足した部品や原材料、運賃価格の上昇も悪材料だ。特に、生産支障まで続いた車両用半導体不足の影響は年末まで続く恐れがあるという懸念の声もある。