ガソリン税「暫定税率」問題:40年続く議論と国民負担の行方

日本において、ガソリン価格に上乗せされてきた「暫定税率」を巡る与野党の対立が激化しています。本来は数年で廃止されるはずだったこの税が、40年近くも存続している現状は、国民の生活や経済活動に大きな影響を与え続けています。この長年の問題が、2025年7月の選挙結果次第で大きな転換点を迎える可能性が浮上しています。

「暫定税率」とは何か? 40年の継続の背景

現在、ガソリンには「ガソリン税」とは別に、1リットルあたり25円の追加税が課されています。これが通称「暫定税率」と呼ばれるものです。当初、この税は道路建設などの財源として一時的に導入され、数年後には廃止される予定でした。しかし、その「一時的」な措置は今もなお続き、導入から40年が経過しても廃止される気配はありません。政府が消費税減税などをうやむやにしてきた経緯と同様に、この暫定税率も既得権益の温床となっているとの批判が根強く存在します。

ガソリンスタンドの給油機に表示される価格。変動するガソリン代が国民生活に与える影響を示す。ガソリンスタンドの給油機に表示される価格。変動するガソリン代が国民生活に与える影響を示す。

暫定税率廃止法案の現状と与野党の動き

暫定税率の廃止を目指す動きは活発化しており、野党7党は衆議院に廃止法案を提出しました。しかし、2025年6月半ばの時点では、この法案はまだ審議されていない状況です。ガソリン価格の高騰が国民生活を圧迫する中で、この問題は差し迫った課題として認識されています。来る7月の参議院選挙は、この税制改革の行方を左右する重要な選挙と位置づけられており、有権者の動向が注目されています。実際、7月の選挙で与党が大敗したことを受け、野党8党は2025年8月1日召集予定の臨時国会に、共同でガソリン税暫定税率廃止法案を再提出する方針を固めています。

暫定税率廃止がもたらす経済的恩恵

もし暫定税率が廃止されれば、国民経済に広範な恩恵がもたらされると期待されています。まず、ガソリン価格が大幅に下がることで、一般ドライバーの給油負担が軽減されます。また、物流業界では運送コストが削減され、これが最終的には商品の価格に転嫁されて値下げに繋がる可能性が高まります。食品や日用品など、物流コストが影響するあらゆる商品の価格が下がることで、国民全体の消費活動が活性化し、経済全体に好影響を与えることが見込まれています。

結論

ガソリン税の暫定税率問題は、単なる税制議論に留まらず、国民の生活負担、物流コスト、そして日本経済全体の活性化に直結する重要な政治・社会問題です。この長年にわたる議論が、今後の政治情勢、特に選挙結果によってどのように展開していくのか、国民は引き続き高い関心を持って見守っていく必要があります。

出典: https://news.yahoo.co.jp/articles/234502a17f7b802d49eb5f75039aa265ce903cd9