インフレの警告…国債利回りが怪しい=韓国


動きがなかった国債利回りが長期物を中心に再び揺れ動いている。今年韓国政府が大規模国債発行を予告し債券市場では国債供給が増加する見通しだ。国債供給が増えるのは国債価格下落(金利上昇)の要因だ。銅など原材料価格が上がりインフレ(物価上昇)の警告灯も灯った。

金融投資協会債券情報センターが11日に明らかにしたところによると、10年物国債利回りは前日の年2.134%より0.005ポイント上がった年2.139%で取引を終えた。今年最低だった1月5日の1.691%と比較すると0.448ポイント上昇した。ただ満期が相対的に短い3年物国債利回りは11日に1.128%で前日より0.008ポイント下がった。

10年物国債利回りは3月15日の2.152%を頂点に先月22日までは下落していた。だが先月23日に底を打ち上昇に転じた。米国債利回りも似た動きだ。3月に年1.7%台に上昇した米国の10年物国債利回りは先月末には年1.5%台に下がったが、今月10日には年1.63%まで反騰した。

企画財政部によると昨年12月に国会を通過した今年度予算案で、国債発行限度は176兆4000億ウォンだった。ここに1次追加補正予算で9兆9000億ウォンを追加した。これにより今年の国債発行限度は過去最大となる186兆3000億ウォンに増えた。

景気回復と物価上昇への期待感は国債利回りを引き上げるまた別の「火種」だ。市場金利と物価上昇は密接につながっている。もし物価が上がった分だけ市場金利が上がらなければ、投資家の立場ではお金の実質価値が下がるだけに損害となる。

韓国銀行は昨年5月に基準金利を過去最低となる年0.5%に引き下げた。米連邦準備制度理事会(FRB)は基準金利を事実上ゼロ水準の年0~0.25%で維持している。だが市場金利は中央銀行の基準金利とは別に活発に動く様相だ。10年物と3年物国債の金利差も広がっている。今年初めには0.769ポイントだったが11日には1.011ポイントに拡大した。相対的に長期金利の上昇幅が大きかったという意味だ。

新韓銀行のエコノミスト、ペク・ソクヒョン氏は「下半期には10年物国債利回りが前回の高点だった年2.152%を超えられるだろう」と話した。NH投資証券の債券・外国為替・商品リサーチセンター長は、「世界的な景気回復で原材料をはじめと半導体供給不足が現れるかもしれない。インフレへの負担感は債券利回り上昇につながりかねない」と話した。

市場金利が上がれば銀行の貸出金利もともに上がる。銀行が変動金利貸付指標に使う5年物金融債利回り(AAA等級)は11日に年1.832%だった。今年初めの1.536%と比較すると0.3ポイントほど上昇した。韓国銀行によると3月の預金銀行の住宅担保貸付金利(加重平均)は年2.73%だった。1カ月前の年2.66%より0.07%上がった。昨年8月の年2.39%から7カ月連続で上昇傾向を見せている。一般信用貸付金利は3月に年3.7%で、昨年2月以降で最も高かった。ウリィ銀行のキム・インウン営業本部長は「年末に近づくほど顧客の貸付利子負担が大きくなる恐れがある」と話した。

家計負債が昨年末に1700兆ウォンを突破した状況で市場金利の上昇は消費回復に否定的な影響を及ぼしかねない。LG経済研究院のチョ・ヨンム研究委員は「金利が上がれば借り手の利子負担が大きくなるほかない。利子負担がややもすると消費沈滞につながりかねない」と話した。



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