サムスンバイオロジックス、mRNAワクチン原料設備を増設…「モデルナとは無関係」


仁川の松島新都市にあるサムスンバイオロジックス第3工場全景。[写真 サムスンバイオロジックス]
仁川の松島新都市にあるサムスンバイオロジックス第3工場全景。[写真 サムスンバイオロジックス]

世界最大のバイオ医薬品委託生産(CMO)企業のサムスンバイオロジックスが増設を推進する。メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの原薬設備を確保するためだ。ただこの設備が新型コロナウイルスワクチンの原薬設備と関係があるのかについては明らかにしなかった。

サムスンバイオロジックスは31日、「仁川(インチョン)の松島(ソンド)新都市工場にmRNAワクチンの原薬生産設備を追加する。来年上半期までに医薬品適正製造基準(cGMP)準備を完了する」と明らかにした。

増設の背景についてサムスンバイオロジックスは「世界的な総合バイオ製薬会社として跳躍することが目標。今回の増設もこのためにビジネスポートフォリオを拡張する過程の一環」と説明した。サムスンバイオロジックスは現在単一クローン方式の新型コロナウイルス抗体治療剤を生産している。多国籍製薬会社のイーライリリーとGSKが開発した抗体治療剤を松島工場で委託生産中だ。

今回の増設を通じmRNA方式の新型コロナウイルスワクチンも生産するということだ。サムスンバイオロジックス関係者は「ウイルスを直接体内に注入しないmRNAワクチンは既存のワクチンより安全で速く容易に作れるという長所がある。原薬生産から無菌充填、ラベリング、包装だけでなく、低温流通と保存まで総合mRNAワクチンサービスを提供するだろう」と話した。

◇「モデルナ製ワクチンの原薬生産工程とは無関係」

今回の増設はモデルナのワクチンの原薬生産工程とは関係がないという。サムスンバイオロジックスは22日にモデルナと新型コロナウイルスワクチン製剤の委託生産契約を締結した。ワクチンCMO工程は大きく原薬生産工程と製剤生産工程に分けられるが、当時両社の契約は製剤工程だった。別の場所で生産したワクチンをバイアル(保管用ガラス容器)に入れ商品として製造する最終段階を担当するという意味だ。

ただ今後サムスンバイオロジックスがモデルナのワクチンの原薬工程まで受注する場合、今回の増設は役立つだろうという見通しも出ている。これに対しサムスンバイオロジックスは「顧客関連事項は話せない」とした。

サムスンバイオロジックスのジョン・リム代表は今回の増設と関連し「事業ポートフォリオを拡大し、より良いサービスを提供できる多様な案を持続して評価している。生産能力を拡充し、早期に新たなmRNAワクチン・治療剤を発売できるよう支援したい」と話した。



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