「世界の工場」中国の物価9%急騰…世界的インフレ衝撃


原材料発のインフレが中国に上陸した。「世界の工場」である中国の物価急騰が世界のインフレドミノに広がりかねないとの懸念が大きくなっている。

中国国家統計局が9日に発表した5月の中国の生産者物価指数(PPI)は前年同期比9.0%上がった。世界的金融危機が発生した2008年9月の9.1%以来の高水準だ。ロイター通信やブルームバーグなどが集計した市場見通しの8.5%よりも高い。

中国国家統計局の董莉娟高級統計士は「5月に入り国際原油と鉄鉱石、有色金属など原材料価格が大幅に上がった中で中国国内需要が回復し工業製品価格が引き続き上昇している」と話した。

中国海関総署(関税庁)が7日に発表した中国の5月の輸入額は2183億8000万ドルで、1年前より51.1%増え2011年1月から10年ぶりの上昇率を記録した。ブルームバーグは「銅や鉄鉱石などの価格が上がり輸入金額が大きく増加した」と分析した。

原材料価格上昇にともなう世界最大の輸出国である中国の「工場物価」が急騰しインフレまで輸出される可能性が大きくなった。ロイター通信は「高騰する原材料価格に耐えられない中国の工場が、増えた費用を海外顧客に転嫁しかねない。これは世界的にインフレを広める恐れがある」と報道した。

国連貿易開発会議(UNCTAD)が4月に発表した報告書によると、昨年の世界の商品輸出総量で中国が占める割合は14.7%に達する。そのため中国発の価格上昇は世界の物価を揺るがしかねない。

急騰したPPIの数値に中国政府も緊張モードだ。原材料価格の急騰が中国経済に直撃弾になりかねないためだ。石油と鉄鉱石など主要原材料の海外依存度が高いだけに原材料価格急騰が製造企業に大きな圧力として作用する恐れがある。

中国南華期貨の顧双飛原材料アナリストは「高騰する生産者物価が消費者物価上昇につながらないよう中国政府は原材料価格を統制する方向に進むほかないだろう」と予想する。

実際に中国政府は原材料価格急騰を防ぐために行政力を動員する意向を示している。国家発展改革委員会はこの日、「重要民生商品の価格異常の動きを予防しなければならない」と強調した。

ゴールドマン・サックスは「原油と銅を含んだ核心原材料市場でこれまで中国が持っていた影響力を失った。PPIは当分上がり続けるだろう」と予想する。



Source link