韓国の民間債務の増加速度がG5の2.6倍に及ぶという調査結果が出た。G5とは、米国・英国・ドイツ・フランス・日本を指す。
全国経済人連合会傘下の韓国経済研究院は10日、国際決済銀行(BIS)などの統計を活用し、2016年末から2020年までの最近5年間の民間債務の推移を分析した研究結果を出した。同期間に国内総生産(GDP)に対する家計負債は87.3%から103.8%に増えた。5年間で16.5%ポイントが増加した。一方、G5は増加幅が6.4%ポイントに留まった。
韓国の企業負債増加率もG5より早かった。韓国企業のGDPに対する負債は2016年末は94.4%、昨年末には111.1%で16.7%ポイント増加した。G5は、同期間中に企業負債が14.9%ポイント増加した。韓国経済研究院のチュ・グァンホ経済政策室長は「最近5年間、韓国の民間債務増加幅は33.2%ポイントで、過去の米国発の金融危機直前の5年(2003~2007年)の増加幅の21.8%ポイントを上回るほど、その速度が非常に急速だ」とし、「良質の雇用拡充などで収入を負債より速く増進し、民間負債比率の緩和を図らなければならない」と述べた。
負債は増えたが、返済能力は悪化している。2015年から2019年の間に、国内家計の可処分所得に対する負債の比率(DTI)は、28.3%ポイント増え、G5の増加幅(1.4%ポイント)の20倍に及んだ。家計所得比元利金償還比率(DSR)も同期間、韓国は平均1.6%ポイント増加したが、G5は0.2%ポイント減少した。DTIとDSRが高ければ負債に対する返済能力が低いことを意味する。
一方、国内企業については、2020年末のDSR率は39.7%でG5の42.7%より低く、国内企業の負債返済能力は相対的に良好なことが分かった。