インドが先月末にヒマラヤ西部の国境に大量の兵を送り込んだことが、ようやく日本でも報道されるようになった。去年の大規模な戦闘は記憶に新しいが、その後も問題はくすぶり続けた挙句にインドがこのタイミングで増派したのだ。習近平主席が原稿を何度も読み違えたのは、インド軍の脅威が身近に迫っていると恐れおののいた結果かもしれない。
習近平が“身構える”…! 20万人インド軍vs中国人民解放軍が「一触即発」、中印国境地帯のヤバすぎる現実
7/8(木) 7:31配信 現代ビジネス
中国vsインド! 緊張が高まるヒマラヤの国境地帯
「インドはヒマラヤ山脈の中国との係争地に5万人以上の兵士を増員した」
これを伝えたのは6月28日付ブルームバーグである。インドと中国の国境を巡る対立は1962年の軍事衝突に端を発するが、昨年5月に過去数十年で最大規模の衝突が発生したことで再び緊張が高まっている。
今年2月に両国は一部地域からの引き揚げで合意したものの、その後の撤退交渉は停滞しており、これに業を煮やしたインドが、兵員を増強したのである。
ブルームバーグによれば、インドはここ数ヶ月間に部隊と戦闘機中隊を中国との国境沿いの3地域に移動させた。国境に配備された兵士は現在約20万人で、昨年に比べて40%あまり増加したと言われている。
注目すべきはインドの対中軍事戦略の大転換である。もともとインド軍の係争地駐留は、中国側の動きを阻止することを目的としていたが、今回の兵力再配備により「攻撃防御」と呼ばれる戦略の運用が可能となり、必要に応じて中国領への攻撃や占拠を行うことが可能となる。
インドが軍事力を増強した背景には、中国側の動きに触発された可能性があると指摘されている。
中印軍拡の原因は「地球温暖化」…!?
インド側の主張によれば、中国人民解放軍は最近、係争地の監視を担当する軍管区にチベットから追加兵力の配備を行うとともに、新滑走路や戦闘機を収容するための防爆バンカーを整備し、長距離砲や戦車、ロケット部隊、戦闘機などを追加投入しているという。
昨年の両国の衝突で中国側の犠牲者は、インド軍の20人を上回る45人だったとの情報がある(中国政府の公式発表4人)。一連の戦闘でも軍事力に劣るインド軍が終始優勢だったとの観測もある。中国側に「捲土重来」を果たさなくてはならない事情があるのかもしれない。
いずれにせよ、このような両軍の軍拡の状況についてインドの軍事専門家は「国境管理の手順が壊れた現在の状態で両国が多くの兵士を配備するのはリスクが大きい。現地での小さな出来事が不測の事態を招く可能性がある」と危惧の念を隠さない。
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インド軍20万人の規模のすごさがよく分かる
記事の後半では地球温暖化が間接的な原因じゃないかと述べられていた。氷河が溶けることにより、インド側で洪水が頻繁に発生しているという。ヒマラヤ山脈近辺が温暖な気候になったことで、兵を配置できるようになったことも関係しているそうだ。だがそれはほんの些細なきっかけに過ぎず、元から中国とインドはこの国境を巡って対立を深めていた。いつ一触即発の事態になるかは誰も分からなかった。
コメント欄では20万人という人数のすごさについて語られていた。陸上自衛隊が全部で14万人だから、日本の陸軍戦力の1.5倍もの規模があの場所に送り込まれていることになる。インド側の本気ぶりが伺える話だ。ただしインドは周辺にパキスタン、バングラデシュ、ミャンマーなどの親中国を抱えていて、それが開戦時のリスクになるんじゃないかという指摘もあった。インド軍単独だけで動くわけにはいかないが、中国を二正面三正面に追い込めれば突破口が見えるだろう。