世界経済が景気後退と物価上昇のスタグフレーションの恐怖に包まれた。デルタ株による新型コロナウイルスの感染再拡大で景気回復の火種が消えかねないという恐れのためだ。低成長・高物価は世界経済の暗鬱なシナリオだ。コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークのピーター・エッセル投資管理首席研究員は米投資メディアのバロンズに「世界経済が生命維持装置でどうにか命をつないできた状況で(新型コロナウイルスの)また別の流行が発生すれば微弱な回復傾向に終末をもたらしかねない。スタグフレーションの恐怖が投資家の主要な心配事になるだろう」と話した。
不安な投資家はドルと国債など安全資産にすばやく移動している。恐怖の中で金融市場は揺れた。株式と国債利回り、仮想通貨と国際原油価格、ウォンまですべて落ち込んだ。
20日の韓国総合株価指数(KOSPI)は前日より0.35%(11.34ポイント)下がった3232.70で取引を終えた。外国人投資家が1700億ウォン以上株式を売った影響だ。KOSDAQは下げ幅をさらに拡大した。前日より0.59%下落の1043.64で引けた。代表株であるサムスン電子は前日と同じ7万9000ウォンで、3日連続7万ウォン台にとどまった。この日日経平均は0.96%、中国上海指数は0.07%、台湾加権指数は1.46%など、アジアの主要証券市場も一斉に下落した。
昨夜の米国証券市場急落が韓国証券市場を押さえ付けた。19日のダウ平均が2.04%、S&P500が1.59%、ナスダック指数が1.06%下落した。ダウ指数は昨年10月以降で最大の下げ幅を記録した。
◇安全資産であるドルと米国債に資金集まる
仮想通貨価格も急落した。ビットコインの価格はこの日1次阻止線とされた3万ドルを割り込んだ。コインデスクによると20日午後3時45分現在のビットコイン価格は24時間前より6.65%下落した2万9689ドルを記録した。1カ月ぶりに3万ドル以下に落ちた。
国際原油価格も急落した。20日のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は前日より7.5%落ちた1バレル当たり66ドル台に下落した。18日に石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非OPEC産油国の会合であるOPECプラスが増産に合意した中で新型コロナウイルスの感染拡大で原油需要が萎縮する恐れがあるという懸念のためだ。
デルタ株で希望折れたか、世界経済にスタグフレーションの恐怖(2)