中国当局が恒大集団を救済しないのは織り込み済みだが、それにより経営破綻することを視野に入れ始めたという。地方政府に備えるように指示したと複数の当局者が明らかにしたそうだ。仮に経営破綻となれば中国経済の沈没は免れないだろう。
中国、恒大の経営破綻に備え対策指示 地方政府に
9/24(金) 8:02配信 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
【シンガポール】中国当局は地方政府に対し、不動産開発大手の中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)の経営破綻に備えるよう指示している。複数の当局者が明らかにした。政府は巨額の債務を抱える同社の救済に二の足を踏み、経営破綻による経済・社会的影響をにらんで対策を進めているようだ。
これら当局者は「見込まれる嵐に備える」よう指示を受けた、としている。地方政府や国有企業は、恒大集団が秩序ある手法で事態に対処できなくなった場合、土壇場になってから介入するよう指示されたという。
地方政府は例えば失業対策などで社会不安を抑え、住宅購入者および幅広い経済への影響を和らげるよう求められた。恒大集団を巡る状況が悪化すれば、雇用情勢にも影響が及びそうだ。
恒大集団は今後、次々に社債の利払い期限を迎える。注目は23日に期日を迎える米ドル債の利払いだ。
地方政府は会計や法務の専門家を集めてグループを立ち上げ、それぞれの地域における恒大集団の事業活動を巡る財務を調査するよう命じられた。地元の不動産開発事業の引き継ぎについての国有・民間の不動産開発業者との協議や、大衆の怒りや抗議活動を監視する法執行部隊の設立も指示された。
恒大集団の広報担当者と中国国務院新聞弁公室は今のところコメントに応じていない。
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中国全土で抗議活動が起こるのは必至
黒井ソニーファイナンシャルのシニアエコノミストによれば、この経営危機は共同富裕の概念の下で政府が意図したものだという。中国政府は最大債権者の国有銀行に損失を負わせつつ、恒大集団の事業を分割して他者に引き継がせるつもりのようだ。巨大な財閥が力を持つと中国共産党の影響力が落ちると考えたのかもしれない。
黒井今回のデフォルト危機は中国国内ではろくに報道されていないそうだ。相変わらず報道規制が酷い。救済しようがしまいが全土で抗議活動が起こるのは必至で、そのための救済をするには地方政府では力不足ではないかと感じる。創業者一族から資産を没収するといったやり方が必要になるだろう。共同富裕とは富裕層を潰してみんなで貧乏になろうという政策なのだから。