提供:ウェザーニュース
10日(木)は南岸低気圧の影響で、関東地方は大雪となる可能性があります。
本州の南の沖合を進む低気圧「南岸低気圧」は、その進路や発達の程度などによって、雪か雨かや降水のエリアが変化し、生活への影響が大きく変わってくるという特徴があります。
そこで記憶に新しい1月6日(木)の関東の大雪と比較して、最新の見解を説明します。(なお、2月8日(火)9時時点の寒気や降水量の予想での解説のため、今後変わる可能性があります。今後も継続的に最新見解をご確認ください。)
同じ東京10cm予想でも違う気象条件
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関東地方は1月6日(木)に大雪に見舞われ、東京都心で10cmの積雪を観測しました。今回2月10日(木)も、東京都心では前回同様に10cm前後の積雪を予想していますが、両者には気象条件に違いがあります。
1月6日の大雪では、東京都心は降水量(雪を溶かして雨として換算したもの)で6.5mmと少なかったのに対して、雪は10cm積もりました。南岸低気圧の雪としては降水量比が非常に大きいものでした(通常は1mmで0.5~1cm程度)。
これは寒気が強く、東京都心では雪の降っている間は気温が氷点下で経過したため、雪がさらさらと軽くて積もりやすかったためです。一方、2月10日はプラスの気温が想定され、1月6日ほどの積もりやすさではなさそうです。では、何が積雪を増やすのでしょうか。
降水量が圧倒的に多い予想 さらに積雪増のおそれ
それは降水量が多くなるためです。気温がやや高く水分の多い積もりにくい雪質でも、降水量が多くなると湿った雪がシャーベット状に積もって積雪が増えていきます。軽い雪質だった1月6日に比べて重い雪がどんどん積もり、結果として同じ積雪10cmが予想されます。
10日(木)の予想降水量(欧州と米国のモデルの比較)
また、10日(木)の降水量自体も予測モデルで計算の差があり、例えばECMWF(欧州中期予報センター)では都心付近では10~20mm程度に対して、GFS(米国NOAA)は同じく20~40mm程度と倍の開きがあります。
GFSが予想する降水量になった場合は、予想よりもさらに積雪が増えるおそれがあります。