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大分地方裁判所
大分県内の飲食店経営者らが知らない間に裁判を起こされて敗訴し預金を差し押さえられた事件で、有印私文書偽造・同行使などの罪に問われた名古屋市の被告の男(39)の公判が28日、大分地裁(岩田光生裁判長)であった。検察側は懲役5年を求刑し、結審した。判決は3月25日。
検察側は、被告が以前に民事訴訟を起こした際、訴状を発送した時点で「送達完了」とみなす付郵便送達の制度を知ったとして、「相手に知られないうちに債権を取り立てようと司法制度を悪用した」と主張した。弁護側は「すべて正直に話し、反省の態度を示している」と述べた。
起訴状などによると、被告は2019年、県内の飲食店経営者ら2人に未払い賃金などの支払いを求める訴訟で制度を利用し、確定判決を得た。2人の住所を偽って裁判所に報告し、差し押さえ命令の書類の署名を偽造して受け取ったとしている。