岡田さん(手前左)宅では、近所の人らがバケツにくんだ温泉で足湯を楽しむ
千葉県柏市豊四季の民家が長く、足湯などを楽しめる憩いの場となっている。庭の井戸から温泉が出たためで、近所の人らが集まるようになった。熱めの風呂程度の湯加減で、検査機関からナトリウムなどの温泉成分を含むとのお墨付きも得ている。(木村透)
【写真】井戸の蛇口から出る温水をためる岡田さん
この家で暮らすのは、岡田みえ子さん(73)夫婦だ。10年前に更地を購入し、自宅を新築した。庭にあった井戸は植木に水をやるのに使っていたが、利用開始から3、4か月後、突然、お湯が出るようになったという。
井戸は、深さ約60メートルの地点からポンプで水をくみ上げている。前の土地所有者の話では、温水が出たことはなかった。
岡田さんによると、蛇口をひねってから1分ほど冷水が出て、その後、徐々に熱くなる。バケツに7、8杯分の温水が出た後は冷たくなり、15分ほどたつと、再び温水が出るという。
温水を長野県薬剤師会検査センターに送り、水質を調べてもらったところ、ナトリウムやカルシウム、マグネシウムなどの温泉成分が含まれているとの検査結果が出た。近所のほかの井戸からも温水が出た例はあるという。大学などに問い合わせたが、温水が出る理由は分かっていない。
ガーデニングを楽しむ岡田さん宅には、近所だけでなく、東京都や茨城県などからも多くの友人が庭を見に集まるが、いまや温泉も目当ての一つになっている。特に冬場は「足湯をすると温まる」という。岡田さんは「いまでは庭より温泉の話の方が盛り上がる」と笑顔を見せた。