豪州を「侵略」したウサギの大繁殖、英国から輸入の24匹が発端

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豪州を「侵略」したウサギの大繁殖、英国から輸入の24匹が発端

オーストラリアの野ウサギの集団

【画像】水を一斉に飲む野ウサギの様子

野ウサギはオーストラリアの在来種ではなく、侵略的外来種とみなされている。農家によると、ウサギはたちまち何倍にも増えて作物や耕作地を荒らし、土壌の大規模浸食などの環境問題を引き起こすことがある。

「生物学的侵略は、環境破壊や経済破壊の重大な原因になる」と研究チームは述べ、「欧州のウサギによるオーストラリアの植民地化は、史上最も象徴的かつ壊滅的な生物学的侵略の1つだった」と位置付けた。

遺伝学的証拠をたどった結果、この侵略の発端は、トーマス・オースティンという名の入植者によって1859年に英国から輸入されたウサギだったことが分かった。オースティンは英イングランドの出身だった。

史料によると、オースティンはオーストラリアのメルボルンにある広大な敷地でウサギ24匹を飼い始めた。そのウサギがわずか3年で数千匹に増え、その後も繁殖し続けた。

論文の筆頭筆者でオックスフォード大学研究者のジョエル・オルベス氏は「ウサギはオーストラリア全土で何度も導入されていたものの、壊滅的な生物学的侵略の引き金になったのは、このイギリスのウサギの1集団だった。その影響は今に至るまで続いている」と解説する。

「その1回の出来事が、外来種の哺乳類による史上最速の植民地化という、とてつもない惨事をオーストラリアにもたらした」

オーストラリアにウサギを持ち込んだのはオースティンが初めてではなかった。1788年、シドニーに到着した英国の第一船団にはウサギ5匹が乗っていて、その後70年の間にさらに90回輸入された。しかしオーストラリア大陸で支配的になったのは、オースティンのウサギ24匹の子孫だった。

オーストラリアに生息している野ウサギ2億匹をたどると、ほぼ全てが1859年に持ち込まれた24匹につながることが分かったという。

研究チームは、オーストラリアの過酷な自然環境の中でウサギたちがどう生き延びたのかについても調べた。

遺伝子を解析した結果、オースティンのウサギの子孫は、それまでにオーストラリアに持ち込まれた飼い慣らされた品種と違って、野生の祖先の血を多く引いていることが分かった。

家畜化された動物は天敵から身を守る能力が欠如しているが、そうした能力は学習によって進化すると研究者は解説する。

オーストラリアでは長年の間に何度もウサギの伝染病が流行。オーストラリア大陸は今も野ウサギの繁殖に苦しめられている。

「生物学的侵略は、世界の生物多様性を脅かす重大な脅威であり、それを防ぎたければ何がそれを成功させたのかを理解する必要がある」と研究チームは指摘。「たった1人、あるいは少数の人たちの行為が環境に対する壊滅的な影響を及ぼし得ることを、この出来事は改めて認識させた」と解説している。

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