西側関係者が参加したK9A1のテスト、米陸軍が開発中の新型砲弾試射を披露

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ハンファディフェンスがユマ試験場で実施したK9A1のテストに「米軍および同盟国の関係者が60人以上も参加した」と報じられており、米陸軍が開発を進めているロケットアシスト砲弾「XM1113」の試射も披露したらしい。

NATO加盟国への売り込みを考えるとXM1113に対応しておいた方が有利、今回のテストは欧州諸国に対する売り込み戦略の一貫か

Hanwha Defense USAのケリー最高経営責任者は「K9のテストをユマ試験場で行い相互運用性(米軍規格の弾薬)を実証した。このテストを通じてK9の能力を米国に示すことができたと思う」と述べていたが、どうやらユマ試験場のテストは西側諸国の関係者を招いた「K9A1の大々的なデモンストレーション」で、米陸軍が開発を進めているロケットアシスト砲弾「XM1113(52口径の榴弾砲から発射した場合の射程は50km以上)」との互換性も披露したらしい。

西側関係者が参加したK9A1のテスト、米陸軍が開発中の新型砲弾試射を披露

出典:Hanwha Defense AUSA2022のブース

このテストにはAUSA2022に出展するため米国に送られたK9A1を用いて実施され「米軍および同盟国の関係者が60人以上も参加した」と報じられており、K10からK9A1への自動化された弾薬補充プロセス、K9A1によるバースト射撃(16秒で3発)と45秒で6発の連続射撃、目標に複数の砲弾を同着させるMRSIモードによる射撃、米陸軍が開発を進めているXM1113の試射、短時間の射撃後に陣地変更するシュート・アンド・スクート能力の高さを披露。

特に米軍以外でXM1113の試射を行ったのはK9A1が初なので、テストに参加した米陸軍関係者は「XM1113との互換性を備えたK9A1に関心をもつ国が現れるだろう」と述べている。

西側関係者が参加したK9A1のテスト、米陸軍が開発中の新型砲弾試射を披露

出典:Photo by Lance Cpl. Katherine Cottingham

韓国はロケットアシストとベースブリードを組み合わせた新型砲弾「K315弾(52口径の榴弾砲から発射した場合の射程は50km以上)」の開発を進めているのだが、NATO加盟国への売り込みを考えるとXM1113に対応しておいた方が有利で、今回のテストは欧州諸国に対する売り込み戦略の一貫である可能性が高い。

海外メディアやディフェンス・メディアは日本メディア(特に週刊誌)とは異なり韓国製兵器をポジティブに捉えている

日本では感情的な事情も相まって「延坪島砲撃事件=K9は低性能で信頼性に疑問がある」と見る向きも多いが、7ヶ国(オーストラリア、インド、ポーランド、ノルウェー、フィンランド、エストニア、エジプト)の陸軍関係者が実機をテストし、競合する自走砲との比較を行いK9を選んでいることを考えると「十分な性能と信頼性を備えている」と見るべきで、海外メディアやディフェンス・メディアは日本メディア(特に週刊誌)とは異なり韓国製兵器をポジティブに捉えている。

西側関係者が参加したK9A1のテスト、米陸軍が開発中の新型砲弾試射を披露

出典:Republic of Korea Armed Forces/CC BY-SA 2.0 延坪島砲撃事件

K9以外の韓国製兵器についても同様傾向が見られるため、我々も韓国製兵器に対する過去のイメージから脱却する必要があるのかもしれない。

因みに海外から見た国産装備の「評価」に触れると怒られるかもしれないので触れないようにしてきたが、今回は少しだ管理人の個人的な意見を述べておく。

西側関係者が参加したK9A1のテスト、米陸軍が開発中の新型砲弾試射を披露

出典:Public Domain

海外メディアやディフェンス・メディアのニュースを読み続けてきた管理人から見ると、日本が誇る10式戦車、たいげい型潜水艦、P-1、C-2といった装備品に対する「海外の関心」は恐ろしいほど低く、これはスペックがどうこうというより「情報を発信しないので日本の装備品の実態が良くわからない」「開発国以外の国=採用国による評価がないため評価のつけようがない」といったところに原因があると感じている。

例えばリチウムイオン蓄電池を本格的に採用した「たいげい型潜水艦」ですら海外メディアの関心は低く、取り上げたとしても「たいげい型潜水艦の○番艦が進水した。リチウムイオン蓄電池を搭載することで潜航期間と水中速度が向上、新素材の吸音材を採用することで静粛性も向上している」という当たり障りのない内容で終わってしまい、これ以上話が広がらないのだ。

西側関係者が参加したK9A1のテスト、米陸軍が開発中の新型砲弾試射を披露

出典:海上自衛隊

つまりYouTube等で見かける「国産兵器に対する外国人の評価」は海外のミリタリーマニアによる評価を引っ張ってきただけで、オフィシャル(相応の信頼性が担保された機関やメディア)なものではなく「米軍も唖然した○○○の実力」といったコンテンツ等はもはや娯楽目的以外に役に立たず、こういった箱庭的な状況を改善するには日本版のJanesやDefenseNewsといった専門メディアがどうしても必要になる。

勿論、現在の日本に防衛産業や安全保障に関心のある人間の数は少ないと思うが、防衛産業基盤の維持のため国産装備品の海外輸出(移転)を国策として掲げる以上、国際的な目線で語られる防衛産業の話題や安全保障政策を日本語で分かりやすく紹介する専門メディアの存在は絶対に必要だ。

西側関係者が参加したK9A1のテスト、米陸軍が開発中の新型砲弾試射を披露

出典:航空自衛隊

個人的な見解は「国産装備品の価値を貶めよう」という旨趣ではなく、一般的に語られる「日本の装備品は性能や信頼性が高く評価されている」という認識を海外メディアやディフェンス・メディアで見かけることはほぼ皆無で、ミリタリー系YouTuberが無責任に作り上げた「神話」と「実際の評価」がかけ離れていることを指摘しているに過ぎないが、管理人の把握している範囲なので絶対ではない。

何度も繰り返すが「素人の管理人が知り得る範囲で国産兵器に対する海外からの関心が恐ろしく低い」と指摘しているだけで「国産兵器の性能が低い」という意味ではない。

米メディア、AUSA2022で韓国は防衛産業としての地位を示す

 

※アイキャッチ画像の出典:Hanwha Defense

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