ノルウェー・オスロで、政府主催の行事に出席したマッタ・ルイーセ王女(左)とデュレク・ベレット氏(2022年6月16日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】天使と会話する王女と、病気を治すという高額メダルを販売する自称シャーマン──。ノルウェーのこの異色カップルは熱愛中だが、国民の心はつかめずにいる。
【写真】手をつなぎ笑顔を見せるマッタ・ルイーセ王女とデュレク氏
ハラルド国王(King Harald、85)の娘のマッタ・ルイーセ王女(Princess Martha Louise、51)と、交際相手の米国人男性デュレク・ベレット(Durek Verrett)氏は6月、婚約を発表。国王は二人を祝福した。
シャーマンを自称するベレット氏は、グウィネス・パルトロー(Gwyneth Paltrow)さんやアントニオ・バンデラス(Antonio Banderas)さんら、米ハリウッド(Hollywood)のスター俳優からも崇拝されている。
だがノルウェー国内ではこれまでのところ、二人のロマンスは歓迎されていない。
「6世代にわたるシャーマンの家系」の生まれだというベレット氏は、自著「スピリット・ハッキング(Spirit Hacking)」の中で、がんは選択できるものだと主張している。
自身のウェブサイトでは、「魂の最適化ツール」だとするメダルを222ドル(約3万3000円)で販売。同氏はこのメダルが、新型コロナウイルスに感染した際の回復に役立ったと主張している。
現実主義のノルウェー国民は、これら全てに眉をひそめている。
■ベレット氏「人種差別の被害者」
9月に行われた世論調査では、回答者の17%が王室に対する評価を下げた。その理由としてほぼ全員が、王女とベレット氏の婚約を挙げた。
ベレット氏は、自身の信仰が一部の人にとって奇異に映ることは理解できるとした上で、自身は人種差別の被害者だと訴えている。
同氏は婚約発表直後の6月9日にインスタグラム(Instagram)に投稿した動画で、「われわれが一緒にいることについて、白人から無数の憎悪の言葉と殺害予告が届いた。王室に黒人男性が加わるのを見たくないからだ」との見方を示した。