米ラップ歌手のカニエ・ウェストさんと独スポーツ用品大手アディダスのロゴ(2022年10月25日作成)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】ドイツのスポーツ用品大手アディダス(Adidas)は25日、反ユダヤ主義的な発言で批判を浴びている米ラッパーのカニエ・ウェスト(Kanye West)との提携関係を即ちに解消すると発表した。
アディダスは、ウェストさんの最近の発言は「容認できず、憎しみに満ちた危険なもの」だと指摘。ウェストさんとのコラボレーションで大きな成功を収めたブランド「イージー(Yeezy)」製品の生産を終了し、ウェストさんと関係企業に対する支払いをすべて停止するとした。提携停止により今年の純利益は最大2億5000万ユーロ(約370億円)減少すると試算している。
現在「イェ(Ye)」の名前で活動するウェストさんをめぐっては、一連の問題行動を受けて関係を断つ企業が相次いでいた。
仏ファッションブランド、バレンシアガ(Balenciaga)は先週、ウェストさんとの関係を解消。24日には、米ハリウッドの大手芸能事務所CAAが契約打ち切りを発表したほか、映画・テレビ制作会社MRCがすでに完成していたウェストさんのドキュメンタリーの公開を中止すると表明した。
ウェストさんは今月、仏パリで開催されたファッションショーに「White Lives Matter(白人の命は大切)」とプリントされたTシャツを着用して登場。この文言は、反人種差別のスローガン「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」に対抗するものとして、米国の極右団体により使用されている。
さらにその数日後には、反ユダヤ主義的な投稿をしたことで、ツイッター(Twitter)とインスタグラム(Instagram)のアカウントを凍結された。問題視された投稿は「ユダヤ人にデスコン3を仕掛ける」というもので、「デス(死)」と、平時よりも高度な米軍の防衛態勢レベルを示すコード「デフコン(DEFCON)3」をかけ合わせた造語とみられる。【翻訳編集】 AFPBB News