22日の中国共産党大会閉幕式での胡錦濤(フージンタオ)前総書記の途中退席を巡り、体調不良が原因だったとする中国側の説明を疑問視し、様々な臆測を伝える海外メディアの報道が相次いでいる。
【写真】胡氏は習氏の手元にある書類を取ろうと…しかし、胡氏のものとみられる書類は栗氏の手元に
胡氏と栗戦書氏(右端)が言葉を交わし、その横で係員に声をかける習近平氏(左)
シンガポールメディア撮影の動画などを巡って関心を呼んでいるのは、胡氏が席を立つ直前の場面だ。
机上の赤い表紙の書類を見ようとする胡氏を、左隣の栗戦書(リージャンシュー)全人代常務委員長が制止して書類を引き寄せた。さらに、右隣の習近平(シージンピン)総書記の手元の書類へ手を伸ばした胡氏が再び制止されたように見える。
胡氏、係員の介助を受け、席を立つ
赤い表紙は中国では重要書類であることが多い。欧米メディアの間では、胡氏に近い李克強(リークォーチャン)首相らが外れた3期目政権人事と結びつけ、胡氏が事前に知らされていなかったとの臆測があり、英紙ガーディアンは「明らかな意見の不一致があった」と分析する。
胡氏、習氏に声をかける
過去には香港メディアなどが胡氏についてパーキンソン病の疑いを伝えていた。胡氏の動作については、自身に配布された書類を取り違えるなどの混乱があったとの見方も出ている。
胡氏、去り際に李克強氏(中央)の左肩に手を置く。左端は汪洋氏
中国外務省の報道官は24日、退席の理由について問われると、国営新華社通信がツイッターの英語版アカウントに投稿した「体調不良」との説明を「興味があるなら見てみれば良い」とだけ答えた。中国政府としては、臆測の広がりを望んでいない模様だ。