米国にとって好都合、韓国と関係強化で合意したベトナムがKF-21を検討か

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韓国は米国の同盟国として初めてベトナムと包括的パートナーシップを締結して注目を集める中、Radio Free Asiaは「韓国からベトナムへの投資と武器売却が拡大する可能性があり、ベトナムはKF-21の調達を検討している」と報じている。

ベトナムは日本ではなく韓国と関係を強化することで中国との不要な摩擦を避けたいと考えている

ベトナムのフック主席と韓国の尹大統領は両国関係を「包括的・戦略的パートナーシップ」に格上げすると発表、特に国防、防衛産業、海上警備、警察分野における協力促進へのコミットメントを協調したため注目を集めており、米議会の出資で設立されたRadio Free Asiaは「米国の同盟国として初めて韓国はベトナムと包括的パートナーシップを締結した。これによって韓国からの投資と武器売却が拡大する可能性がある」と報じている。

米国にとって好都合、韓国と関係強化で合意したベトナムがKF-21を検討か

出典:Office of the President

一般的に包括的・戦略的パートナーシップは「高レベルの相互信頼、共通の利益、共通の価値観に基づく特別な関係」と解釈され、ベトナムは米国やカンボジアとの戦争で支援を受けた3ヶ国(中国、ロシア、インド)とパートナーシップ関係を結んでいるが、中国とは南シナ海の西沙諸島や南沙諸島の領有権を巡り緊張状態が続いているためベトナムの安全保障はロシアが供給する武器に依存しており、1995年~2021年までにベトナムが購入した武器の内80%以上(60億ドル以上)がロシア製だ。

ベトナムは武器調達を特定国に集中させる体制のリスクを問題視して武器調達の多角化(2021年にL-39NGを発注)に乗り出していたが、ウクライナ侵攻でロシア製兵器の調達が難しくなったため韓国との関係強化に乗り出したと言われており、ベトナム国家大学のフイン・タム・サン教授は「両国間にはベトナム戦争の後遺症が残るものの国家戦略の側面には共通点が多く、特に米国と中国の間で政治的にも外交的にも独立性を好む点がよく似ている」と指摘しているのが興味深い。

米国にとって好都合、韓国と関係強化で合意したベトナムがKF-21を検討か

出典:KAI 한국항공우주산업

さらにアメリカ陸軍戦略大学のザカリー・アブザ教授は「武器調達の多角化を進めるベトナムと韓国の関係強化は防衛産業における二ヶ国間関係にも変化を与える可能性があり、ベトナムは韓国から退役済みの浦項級コルベットやKF-21の調達を検討している。特にロシア製戦闘機を入手するのが難しくなっているためSu-35と同価格帯のKF-21は武器調達の多角化にも役立つ。もし韓国がベトナムと技術移転や共同生産で合意すればベトナムの安全保障政策に大きな変化が生じるかもしれない」と述べている。

要するに以前から露防衛産業の孤立を狙っていたため「韓国との関係強化でベトナムのロシア依存が低下するなら大歓迎」という意味だが、ベトナムは韓国の他にも日本とパートナーシップ(アジアの平和と繁栄のための戦略的なパートナーシップ)を締結しており、これについてRadio Free Asiaはサン教授の指摘を引用して「ベトナムは日本ではなく韓国と関係を強化することで中国との不要な摩擦を避けたいと考えている」と指摘している。

米国にとって好都合、韓国と関係強化で合意したベトナムがKF-21を検討か

出典:首相官邸

サン教授は「日本は中国の主張と真っ向から衝突する米国との関係を強化しているため、ベトナムが日本との関係をこれ以上強化すると中国との関係に無用な波風を立てる可能性がある」と説明して、ベトナムの指導者にとって「これは避けなければならない」と付け加えているのが印象深い。

ここで言う関係強化とは経済分野ではなく安全保障分野の話で、日本も韓国も米国の同盟国だが地政学的な条件に加え、自衛隊と米軍の一体運用や日米安保が安全保障政策の基軸だ標榜する日本と、韓米安保の強化とは別に自主国防の達成を標榜する韓国では安全保障政策の方針に大きな差があり、南シナ海や台湾問題で米国に近い日本よりも一定の距離をとる韓国の方がベトナムにとって都合がいいという意味だ。

米国にとって好都合、韓国と関係強化で合意したベトナムがKF-21を検討か

出典:海上自衛隊

日本は防衛装備品の輸出を可能とする防衛装備品・技術移転協定をベトナムと締結して装備品の輸出(T7マリーンと三井E&S造船が共同でベトナム海軍や沿岸警備隊向けの艦艇建造を進めている)を狙っているが、Radio Free Asiaの指摘が真実なら装備品の性能やオフセットがどうこうという以前の問題=政治的・外交的な立ち位置に起因した事情が絡んでベトナムへの装備品の輸出は難しいのかもしれない。

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※アイキャッチ画像の出典:KAI 한국항공우주산업

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