ポーランド国防相、パトリオットのウクライナ配備を拒否したドイツに失望

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ポーランドはブラスザック国防相は7日「パトリオット部隊のウクライナ配備を拒否するというドイツの決定に失望している」を明かし、ドイツは当初の予定通りポーランド配備の準備を進めている。

ウクライナ軍は6日もクルスク州とブリャンスク州の基地を無人機で攻撃、レズニコフ国防相は追加の動員は必要ない

参考:Attacks on Russian air bases will have psychological impact- Western officials

ウクライナ軍は5日にロシア領リャザニ州とサラトフ州の基地を未知の無人機で攻撃して注目を集めたが、6日もクルスク州とブリャンスク州の基地を無人機で攻撃したと報じられており、特に第121親衛重爆撃機航空連隊が駐留するエンゲリス基地(サラトフ州)への攻撃はインフラ攻撃に使用していたTu-95を損傷させたため、米当局はロシアが爆撃機を周辺基地に分散させる可能性に言及した。

ポーランド国防相、パトリオットのウクライナ配備を拒否したドイツに失望

出典:Alex Beltyukov/CC BY-SA 3.0

この米当局は「もし今回の攻撃がウクライナ軍によるものなら、ロシア領空をウクライナ軍の無人機が自由に活動できること示したことになるためロシア人を心配させるだろう」と述べ、ウクライナ攻撃のためエンゲリス基地で集中運用している爆撃機についても「ロシアは周辺基地に分散させることを考えざるを得ないだろう」と付け加えており、このまま無人機による攻撃が続くならロシアはクリミアだけでなく本土防衛にも防システムのリソースを割く必要がある。

参考:Резников рассказал, нужна ли дополнительная волна мобилизации в ВСУ

ウクライナはロシア軍と戦うための動員数について5月に70万人、7月に約100万人(軍が70万人、国家親衛隊が9万人、国境警備隊と沿岸警備隊が6万人、国家警察が10万人で計95万人)に到達したと明かし、その後は「一般人の追加動員は必要なく軍が必要とする専門的なスキル(ドローン操縦技術など)を有した人のみを動員している」と説明していたが、ハルキウやヘルソンなどの反撃を経た現在でもレズニコフ国防相は「十分な兵士がいるので今のところ追加動員は必要ない」と明かした。

ポーランド国防相、パトリオットのウクライナ配備を拒否したドイツに失望

出典:Сухопутні війська ЗС України

これまでに明かした動員数は招集された人数で、国内だけでなく欧州諸国(英国、ドイツ、オランダ、ポーランド、スロバキア、チェコなど)で訓練を受けたウクライナ人が帰国し始めているため、これまでの死傷者(最新の戦死者数は1万人~1.3万人なのでウクライナ軍の死傷者は約4万人前後と推定)を差し引いても戦闘に投入できる兵士の数は増加している可能性が高い。

未知の無人機による攻撃か、Tu-95が配備されたロシア軍基地で爆発
祖国を守るウクライナ軍、兵士の総動員数が約100万人に到達する

NATOが検討を行ったものの最終的にポーランドの提案を拒否、ドイツはパトリオットのポーランド配備を進めている

参考:Германия отказалась передавать ЗРК Patriot Украине, их разместят в Польше

ドイツはポーランドへのミサイル着弾を受けてパトリオットを装備した独部隊の派遣を提案したが、与党PiSのヤロスワフ・カチンスキ党首が「ポーランドに派遣するウクライナに派遣した方が我々の安全保障により役立つ」と主張、これを受けてドイツやNATOが検討を行ったものの最終的にPiSの提案を拒否してポーランド派遣に向けた準備が進められている。

ポーランド国防相、パトリオットのウクライナ配備を拒否したドイツに失望

出典:KancelariaSejmu/RafałZambrzycki CC BY 2.0

そもそもカチンスキ党首の提案はポーランド国内でも「無理な要求だと分かった上での政治的パフォーマンスに過ぎない」と批判されており、欧米メディアもウクライナへのパトリオット配備を良いアイデアだと表向き評価しているが、安全保障分野のアナリスト達は端から「実現不可能=パトリオット供与ですら困難なのに独部隊をウクライナ国内に配備してロシア軍のミサイルを迎撃すればNATOとロシアの戦争にエスカレーションする→核戦争に発展するリスクがある」と冷ややかで、管理人もNATOの検討は形式上に過ぎないと思っている。

日本人にとっては理解できないかもしれないが、NATOは加盟国ではないウクライナのために核戦争のリスクを冒す気はさらさらなく、ロシアの手に渡って困る兵器の供与も行う気がない。

ポーランド国防相、パトリオットのウクライナ配備を拒否したドイツに失望

出典:public domain David’s Sling

ドイツがPzH2000提供に踏み切った際もオリジナルの射撃管制システムをウクライナ軍のものに変更しており、ウクライナから防空システムの提供を催促されるイスラエルも「我々の武器には敵の手に渡って欲しくないものや、ウクライナと共有できない秘密がある。欧米諸国もウクライナに特定の装備提供を拒否しているのにイスラエルだけを批判するのは間違っている」と主張しているので、きっと同情的な感情だけではなんともならない問題があるのだろう。

因みにポーランドの国防次官が「ウクライナ人なら直ぐにパトリオットの操作をマスターできる=独部隊のウクライナ派遣が無理ならパトリオットをウクライナ人に与えれば良い」と発言して注目を集めたが、基本的に購入する武器や弾薬には最終使用者という法的な縛り=つまり購入国が当該装備や弾薬を第三国に売却もしく譲渡するなら販売国に最終使用者の変更を認めてもらう必要があり、ドイツがパトリオットをウクライナ人に与えるなら米国の許可が必要になるという意味だ。

ポーランド国防相、パトリオットのウクライナ配備を拒否したドイツに失望

出典:Ministerstwo Obrony Narodowej

イスラエル製防空システムも米企業が開発に関与=米国の技術が入っているため、仮にデービッド・スリング(レイセオンが開発に関与)をウクライナに提供するなら米議会の承認が必要で、結局のところウクライナへの防空システム提供をコントロールしているのは米国という話になる。

まぁポーランドが真剣にウクライナのことを心配しているなら、ドイツに難題をふっかける前にポーランド軍に引き渡されたばかりのPAC-3をウクライナに与えるのが筋だろう。

イスラエルがウクライナへの防空システム提供を拒否、非殺傷装備なら幾らでも

 

※アイキャッチ画像の出典:Mark Holloway/CC BY 2.0 ドイツ軍のパトリオットシステム

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