日本、極超音速兵器に対処するためパトリオットのレーダーをLTAMDSで更新

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読売新聞は11日、日本政府は迎撃困難な極超音速兵器に対処するため「パトリオットシステムを構成するレーダーを最新のLTAMDSで更新する」と報じており、16日に閣議決定する防衛力整備計画(現中期防衛力整備計画)に盛り込むらしい。

ウクライナ侵攻でミサイル防衛が注目を集めているためLTAMDSを他国に先駆けて入手するためには早めの売却打診が不可欠だろう

西側を代表する地上配備型防空システムといえばレイセオン製のパトリオットミサイルで、脅威の進化に合わせて改良が続けられているため開発から50年経過した現在でも高い能力を維持し続けているが、設計自体が古く改良も限界(迎撃弾の性能にパトリオットのシステムとレーダーが追いついていない=新型迎撃弾PAC-3MSEの能力が活かしきれていない)に達しているため、米国では次世代の防空システム開発が進行中だ。

日本、極超音速兵器に対処するためパトリオットのレーダーをLTAMDSで更新

出典:raytheon Lower Tier Air and Missile Defense Sensor

次世代の防空システムといっても管制装置、レーダー、迎撃弾などで構成されるパッケージ単位の開発ではなく、各構成要素を別々に開発して統合防空ミサイル防衛の指揮統制システム「IBCS(Integrated Air and Missile Defense Battle Command System)」に接続して運用することを想定しており、パトリオットシステムを構成するレーダー(航空機/弾道ミサイル用下層レーダーのAN/MPQ-53/65)をLTAMDSで更新する作業が始まっている。

AN/MPQ-65はレーダーアレイが1面で特定方向の警戒しか対応出来なかったが、LTAMDSはほぼ同サイズならフェーズド・アレイ・アンテナ(主1基:副2基)を3基備えているため戦場での死角がなくなり、主レーダーアレイの出力も2倍以上に引き上げられ、更にGaNベースの半導体送受信素子を採用しているため脅威の検出距離や精度が相当優れていると言われているものの「探知距離が100km+」と言うぐらいしか情報が公開されていない。

日本、極超音速兵器に対処するためパトリオットのレーダーをLTAMDSで更新

出典:U.S Army Photo by Capt. Adan Cazarez パトリオットのミサイルランチャー

LTAMDSはパトリオットシステムに接続可能することが可能なのでパトリオットの海外顧客に対しても提供可能だとレイセオンは主張、既にポーランドがLTAMDSの売却を米国に打診(ポーランドは米軍と同じIBCSをまるごと導入する)しており、日本政府も防衛力整備計画(現中期防衛力整備計画)にLTAMDSの取得を盛り込む方針だと読売新聞が報じている。

米陸軍はLTAMDSを6基取得するため2019年にレイセオンと3億8,300万ドルで契約、現在までに5基(最後の1基は組み立て中)が引き渡され初期作戦能力(IOC)の獲得に向けたテストが行われているもののIOC獲得は最短でも2023年末になると言われており、一般的に米国製装備品の輸出要件が固まるのはIOC獲得後になるためFMS経由でLTAMDSの売却準備が整うは2025年頃になる可能性(AN/SPY-6のIOC獲得は2023年を予定しているため同盟国に対する輸出準備が整うのは2025年頃だと予想されている)が高い。

日本、極超音速兵器に対処するためパトリオットのレーダーをLTAMDSで更新

出典:Ministerstwo Obrony Narodowej

つまり同盟国からの購入要請→国務省による法的要件の審査(これだけで1年位かかる)→FMS方式による契約締結→レイセオンへの発注→LTAMDS納品という流れを考えると、実際に日本がLTAMDSを入手できるのは2030年頃の話になるが、ウクライナ侵攻でミサイル防衛が注目を集めているためLTAMDSを他国に先駆けて入手するためには早めの売却打診が不可欠だろう。

因みにドイツはレイセオンと共同でパトリオットシステムで使用するGEM-T弾(PAC-2形態で使用する最新の迎撃弾で弾道ミサイル、巡航ミサイル、航空機との交戦能力が向上したタイプ)のドイツ生産を開始する予定だ。

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※アイキャッチ画像の出典:raytheon Lower Tier Air and Missile Defense Sensor

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