林外相が中国を訪問しアステラス製薬社員の早期解放を求めたが、この件に関し中国側は想像もつかない解釈をしているようだ。
クーリエジャポンによれば、中国共産党の機関紙「環球時報」が今回の林外相の訪中について報道した中で「中国と日本の間の個別案件を拡大して、わざと中国を悪く言う世論を形成しようとしている」などと言及した。
「日本は悪人(米国)の手先になっている」「個別案件を拡大して日本の世論を狭め、日本人の対中意識を袋小路に追いやる」「日本はもはや敵意を隠さない国になった」―――などと言いたい放題の様子だ。
せっかくの3年ぶりの外相訪中の目的がアステラス製薬社員解放のみだった、というのが中国としては気に入らなかったのだろう。今回特に手土産もない中、日本政府のここ最近の半導体製造装置輸出規制なども特に進展はなかった様子だ。
中国は「無能な者は歓待せよ」という価値観で動いているだけに、今回の林外相の訪中が中国を怒らせたのであれば悪くない働きをしたと言える。本人としては異なる考えだったとしても、中国側はそのように解釈したということだ。
コメント欄では「悪人とか敵意とか、全てそっちに返します。中国は対中包囲網に焦っている」「中国メディアの対日スタンスは変わらない」と中国の言い分について批判されていた。一方「中国の内政が外交を妨げてしまうなら、戦狼外交同様に短期のメリットしかない」と中国を諌める意見もあった。