ウクライナ軍がフェイスブックで公開した女性スナイパー [SNS キャプチャー]
昨年2月に勃発したロシアとウクライナの戦争が長期化しウクライナの女性が戦場に行った家族に代わり職業戦線に飛び込んでいる。特にこれまで女性の参加が禁止されていたり参加が少なかった職種にも女性が進出している。
【写真】ウクライナのドニプロペトロウシク地域にある炭鉱内部の様子
米CNNは16日、ウクライナ女性が性別固定観念から抜け出し鉱山や鍛冶職人などとして活躍していると報道した。
テティアナさん(仮名、38)はウクライナ東部の地下鉱山で作業する45人を超える女性のうちの1人だ。家族は複数の世代にわたり石炭鉱夫が多く、父と祖父、叔父も鉱山で働いた。
テティアナさんはこれまで地上で鉱山内のメタンガス濃度を点検する仕事をしていたが、いまは地下数千フィートで採掘作業をしている。
戦争で鉱夫が軍隊に徴集されてから鉱山会社が地下で働く女性労働者を募集したので応募したものだ。
CNNはウクライナで女性の地下鉱山作業は過去には法的に禁止されていたと説明した。ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアの侵攻と関連して戦時法を宣言してこうした制限が解除された。
テティアナさんは「戦争が終わっても地下鉱山でずっと働きたい」と話した。
ウクライナ北部のある都市ではマリア・コベツさん(30)が鍛冶屋で熱気に耐えながら金属製品を作っている。夫がウクライナ軍に徴集されて戦線に投入されると夫が運営していた鍛冶屋を引き継ぐことになったのだ。
CNNはコベツさんについて「第2次世界大戦当時の米国の宣伝ポスター『リベット打ちのロージー』と鏡写しだ」と評した。
リベット打ちのロージーは第2次世界大戦中に防衛産業関連企業に従事したブルーカラー女性を象徴する用語で、当時同じ題名の歌と宣伝映画が作られた。戦争時期の米国での女性労働者の役割拡大を見せる象徴的な単語だ。
コベツさんは「鍛冶屋でよく泣く。夫は私たちを守っておりやむを得ず私たちと離れている。この仕事は非常に危険だが私が耐えるのに役立つ」と話した。
テティアナさんとコベツさんだけでなくすでに多くのウクライナ女性が多様な形で国に寄与しているとCNNは伝えた。
ウクライナ女性6万人が軍で活動しておりこのうち5000人は戦闘部隊に所属している。
CNNは「ジェンダー規範を破るのは挑戦的だがこの女性たちはもっと大きな平等に向けた道を整えている」と伝えた。