[村野武範さん]70歳で4期の中咽頭がん 長女からは腎臓もらう…「家族のおかげで生きている」

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ウェルネスとーく

【写真2枚】デビュー当時の村野武範さん

4期の中咽頭がんと言われ、死を覚悟した

[村野武範さん]70歳で4期の中咽頭がん 長女からは腎臓もらう…「家族のおかげで生きている」

写真・中山博敬

 居酒屋にいて左の首筋を触れた時に小豆大のしこりに気付いたんですよ。近くの病院に行ったら、「風邪でしょうから、しばらく様子を見ましょう」と言われました。でも、風邪の症状はない。おかしい。それで、かかりつけの医師のところに行くと、しこりを触って、「大きな病院で精密検査を受けた方がいい」と紹介状をもらいました。結局、4,5か所の病院を回ることになったんですが、CTやMRI、それに全身のがんを調べるPETとかいろいろな検査を受けました。

 最終的な結果は、「舌の付け根に原発したがんで、リンパ節への転移が3、4か所。首筋のしこりも転移です。ステージ4の中咽頭がん」という説明でした。「余命はどれくらいですか」と質問すると、「聞かない方がいいですよ」って言われて、ああ、4期だし、俺の余命は2、3か月なのかもしれないなぁと思いました。

――突然、進行したがんの告知とはショックでしたね。

 治療の説明も大変な話ばかりでした。放射線治療と抗がん剤治療をやるので、のどが痛くて食べられなくなるから、胃に穴をあけてそこから栄養を取れるようにする。抗がん剤で髪の毛が抜け、口内炎や味覚障害が出て、体重は10キロ以上減る。説明を聞きながら、治療を受けても、もう終わりなんだなって思いました。でも、痛くもかゆくもないし、ピンピンしているから実感はないんです。あきらめが早いって言うのか、考えてもしょうがないから、うちに帰って、いつもと同じように普通に寝てしまいました。そうしたら深夜に女房に起こされたんですよ。

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