ウクライナ国旗(彦野公太朗撮影)
ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ軍は11日、東部ドネツク州の集落ブラゴダトノエを露軍から奪還したと発表した。ウクライナメディアが伝えた。露オンライン軍事メディアも同集落から露軍が撤退したと報じたほか、南部ザポロジエ州の集落ロブコボエもウクライナ軍に奪還されたもようだと伝えた。一連の前進は、ウクライナ軍が開始したとされる大規模な反攻作戦の一環である可能性が高い。
【写真】ロシア軍に向かって砲撃を加えるウクライナ軍兵士ら
これに先立ち、ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、詳細への言及を避けつつも、反攻に着手していたことを認めていた。
ブラゴダトノエは、ドネツク州西部の都市でウクライナ軍の反攻の主要方面の一つとされるベリカノボシルカの近郊に位置。ロブコボエも、別の反攻方面だとされるザポロジエ州オレホフやトクマクの近郊に位置している。
ウクライナ軍の反攻では、アゾフ海まで南下し、露軍の支配下にある南部クリミア半島と露本土を結ぶ「回廊」の寸断を主目標としているとの観測が強い。
一方、南部ヘルソン州のカホフカ水力発電所のダム決壊を巡り、同州のプロクジン知事は11日、洪水の浸水面積が139平方キロメートルから78平方キロメートルまで減少したと発表。なお3500人以上が避難しているとした。
ダムがあるドニエプル川の西岸を保持するウクライナと、同川東岸を占領しているロシア側の発表を合わせると、洪水の死者は少なくとも計十数人に上り、計数十人がなお行方不明。