潜水艇に乗っていたとされるシャーザダ・ダウードさんと息子のスレマン・ダウードさん。
潜水艇「タイタン」の最も若い犠牲者は19歳のスレマン・ダウードさんだ。
スレマンさんは父親のシャーザダ・ダウードさんとの絆を深めようと、潜水艇に一緒に乗ったのだとスレマンさんの親族は話している。
深海旅行の前、スレマンさんは「とても怖がっていた」とこの親族はNBC Newsに語っている。
潜水艇「タイタン」の最も若い犠牲者のおばは、甥っ子が深海旅行をとても怖がっていたが、父親に感心してもらいたくて潜水艇に一緒に乗ったのだと語った。
パキスタン出身の実業家シャーザダ・ダウードさんのきょうだい、アズメ・ダウードさんは潜水艇が出発する前に甥っ子のスレマンさんと話をしたという。スレマンさんは「とても怖がっていた」ものの、父親との絆を深めようと父の日の週末に深海旅行へ出かけたのだとアズメさんはNBC Newsに語った。
スレマンさんはもともと「あまり乗り気ではなかった」とアズメさんはNBC Newsに話している。ただ、シャーザダさんは子どもの頃からタイタニックに夢中だったという。
6月22日(現地時間)、当局は海底で発見した破片は行方不明の潜水艇のものだとし、潜水艇を所有するオーシャンゲート・エクスペディションズも全員の死亡を確認する声明を発表した。アメリカ沿岸警備隊は、潜水艇は「圧力室が壊滅的に喪失」し、深海で爆縮(周囲からの圧力で押しつぶされる破壊現象)したようだと述べた。
学術誌『Journal of Physics: Conference Series』によると、こうした爆縮は一瞬のうちに起こるという。乗客全員が即死した可能性が高い。
「100万ドルもらっても、わたしならタイタンには乗らなかっただろう」とアズメさんはNBC Newsに語った。
BBCによると、スレマンさんは「SF小説と新しいことを学ぶのが大好き」でバレーボールをプレーするのも好きだった。イギリスにあるストラスクライド大学に在学中で、ビジネススクールの1年目を終えたばかりだったという。
父親のシャーザダ・ダウードさんはパキスタン最大の複合企業エングロ・コーポレーションのバイスチェアマンだったとBBCは伝えている。パキスタンの教育問題に取り組むダウード財団なども運営していた。
ロンドン在住のダウードさん一家は、1カ月ほど前からカナダを訪れていたとBBCは報じている。
Azmi Haroun