
2022年10月、爆破されたクリミア大橋で消火活動を行うヘリコプター=ロイター
ロシア国防省は、ウクライナ軍が9日、南部クリミアと露本土を結ぶ「クリミア大橋」の破壊を狙ってミサイルを発射し、露軍が着弾を阻止したと発表した。ウクライナ軍は、大規模な反転攻勢により、ロシアが2014年に一方的に併合したクリミアと露本土との分断を目指している。露軍の主要な補給路の寸断を昨年10月に続いて再び狙った可能性がある。
【動画】ウクライナが破壊したクリミア大橋、実際の映像
1/2

2022年10月、爆破されて黒煙が上がるクリミア大橋=ロイター

(写真:読売新聞)
クリミア大橋への攻撃は、露軍のウクライナ侵略作戦の総司令官を務めるワレリー・ゲラシモフ参謀総長が10日、軍幹部らとの会合で明らかにした。ウクライナ軍が地対空ミサイルS200を地上攻撃用に改造して攻撃に使ったという。
9日には露南部ロストフ州の軍用空港や西部カルーガ州もS200で攻撃され、計4発のミサイルのうち2発を迎撃し、2発を電子戦装置で無力化したという。
旧ソ連が開発したS200の射程は約300キロ・メートル。ウクライナ軍が地上への攻撃に本格使用したとすれば、露軍占領地域の奥深くへの攻撃が今後、活発化するとみられる。