経産省トイレ利用制限訴訟 性同一性障害の原告逆転勝訴 最高裁

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女性トイレの利用を制限された性同一性障害の経済産業省職員が国に処遇改善を求めた訴訟の上告審判決が言い渡される最高裁第3小法廷。奥中央は今崎幸彦裁判長=東京都千代田区で2023年7月11日午後2時59分、渡部直樹撮影

【写真】思いを語るトランスジェンダーの職員

 最高裁が性的少数者の職場環境の在り方に判断を示すのは初めてで、裁判官全員一致の意見。今崎裁判長は補足意見で「判決は不特定多数の人が利用する公共施設のトイレ利用の在り方に触れるものではない」と付言したが、判決と同様に人間関係が限られた職場では性的少数者への対応を迫られる可能性がある。

 原告は男性として入省後の1999年に性同一性障害と診断された。女性として生活しているが、性別変更に必要な性別適合手術を健康上の理由で受けられず、戸籍は男性のまま。09年に女性として勤務したいと上司に伝え、化粧や服装、更衣室の利用は認められたものの、女性トイレは執務室から2階以上離れたフロアのものを使うよう制限された。人事院に救済を求めたが、人事院は15年に経産省の対応に問題はないとする判定を出した。

 小法廷は、経産省が10年に原告の同僚を対象に説明会を開き、女性職員数人が違和感を示したとして制限を決めた点について「明確に異を唱える職員がいたことはうかがえない」と認定。その後も制限の見直しを検討しなかった対応も問題視した。

 さらにホルモン投与を受けている原告が性暴力に及ぶ可能性は低く、他の女性職員とトラブルが起こることは想定しがたいとも言及。他の職員に対する配慮を過度に重視し、原告の不利益を不当に軽視したとして、人事院の判定は裁量権の逸脱・乱用で違法と結論付けた。

 小法廷は2審判決を破棄し、人事院判定を取り消した1審・東京地裁判決(19年12月)が確定した。人事院判定を取り消す司法判断が確定するのは初めて。原告は国に約1700万円の損害賠償も求め、2審は国に11万円を支払うよう命じていたが、この賠償命令も11日に確定した。

 経産省と人事院は「判決を精査した上で対応していく」とコメントした。【遠藤浩二】

 ◇経済産業省トイレ利用制限訴訟判決骨子

・ホルモン投与を受ける原告の女性トイレの利用でトラブルが生じることは想定しがたい

・他職員への配慮が過度に重視され、原告の不利益が不当に軽視されている

・経産省のトイレ制限を妥当とした人事院の判定は裁量権の範囲の逸脱・乱用で、違法

・ただし、判決は不特定多数が使用する施設のトイレ利用の在り方に触れるものではない

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