出典：GoogleMap 南ドネツク周辺の戦況/管理人加工（クリックで拡大可能）
ウクライナ軍、西の高地を攻める意図か
南ドネツク方面では、ウクライナ軍が予備戦力をスタロムリニフカの西側に移動しているとの報告がロシア人から寄せられています。もし報道が事実なら、ウクライナ軍はモクリ・ヤリー川の東ではなく、「西の高地」を攻める意図があるのかもしれません。
米国の財政支援に条件付き
ロシア人情報源によると、南ドネツク方面ではウクライナ海軍の第37海兵隊がウロジャイネの東にある森林ゾーンからロシア軍を撃退しようと試みましたが、失敗に終わったそうです。一方で、ウクライナ軍はスタロムリニフカの西側で戦力を増強し続けており、第1戦車旅団の戦車がロシア軍の拠点を砲撃するなど新たな攻勢の準備を進めています。さらに、敵はプリユトネ方面の戦力を強化するため、領土防衛隊をレヴァドネに移動させました。プリユトネ北の森林ゾーンには第79空中強襲旅団の部隊が展開しています。
出典：Державне бюро розслідувань
報道によると、ウクライナ軍が予備戦力をスタロムリニフカの西側に移動させているため、ウクライナ軍は「西の高地」にあるロシア軍陣地を攻撃する可能性が高いと指摘されています。また、アゾフ海への突破口を開くためには、丘の制圧が絶対条件だとのことです。
ゼレンスキー大統領の発言
クリミア・プラットフォーム後の記者会見で、ゼレンスキー大統領は幾つか興味深い発言をしています。報道によれば、米国がウクライナに対して毎月の財政支援（15億ドル）に条件を付けてきたとされています。また、ゼレンスキー大統領は「ロシアが東部にどれだけの戦力を集中させているのか知らないようだ。そこには20万のロシア人が集結しており、東部の戦力（10万人以上）を南部に移動させればロシアはスラビャンスクやクラマトルスクを直ぐに占領するだろう。そこからパブログラード、ドニプロ、ハルキウに向かうはずで、その希望をロシアはまだ諦めていない」と述べました。
出典：Спеціалізована антикорупційна прокуратура
さらに、ゼレンスキー大統領は動員についても言及しました。「率直に言うと、参謀本部からは『もっと動員数を増やしてほしい』と言われてきたが、軍事委員会や軍事医療委員会の問題が非常に重要で、軍と動員数の引き上げについては問題の解決後に話し合う必要がある」と述べています。不正を防ぐための措置を講じた後でないと、国民の理解が得られないとの考えです。
ゼレンスキー大統領は、不正が相次いでいることにも触れています。軍事委員の解任を発表した後も不正の摘発が続いており、「米国が毎月の財政支援（15億ドル）に汚職対策組織の制度的な独立性と効率性の強化に関する法律の草案を9月15日まで準備しろと条件を付けてきた」との報道もあります。
ゼレンスキー大統領が要求されているのは政府高官や議員の汚職を捜査する汚職対策組織です。しかし、法的には検察庁の独立部門として創設されているものの、実際には検事総長の管理下にあります。法案の支持が得られないなど、まだ課題が残っているようです。
以上が最新の南ドネツクの戦いに関する情報です。情勢は刻々と変化していますので、最新の情報にご注意ください。
