村が移転を迫られる理由 フィジーの村が海面上昇により沈む

海面上昇による影響

フィジーのセルア島にある村では、海面上昇による影響が深刻化しています。満潮時には防波堤を乗り越えた海水が村に流れ込み、家々が浸水してしまうのです。住民たちは厚い木の板を使って応急の通路を作り、庭を海水から守っています。しかし、このような対策も限界に達しています。

住民の苦悩と決断

フィジーの村では、海面上昇への適応策が尽きつつあります。80人の住民は、村ごとの移転か否かという難しい決断を迫られています。村の長老たちは、祖先伝来の土地で人生を終えることが当然だと信じており、移転には抵抗しています。しかし、洪水や浸食、異常気象のリスクを考えると、村ごとフィジー最大の島への移転が未来のために必要かもしれません。

フィジー政府の支援

フィジー政府当局者によると、フィジー全土で海岸沿いに立地する多くの村が気候変動への適応や移転に向けた支援を求めています。これらのプロジェクトには高額な費用がかかるため、政府の支援が必要とされています。

気候変動の危機と国際連合

フィジーを含む太平洋島しょ国は、気候変動による影響を直接に受けています。フィジーの首都スバで開催された会議では、気候変動がこれら諸国にとって最大の存亡の危機であると宣言されました。島しょ国は、地球温暖化に責任のある先進各国に対し、排出量の抑制だけでなく、海面上昇から国民を守るための対策費用を負担するよう要求しています。

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自宅の周囲まで来た高潮を見渡す住民のラプマ・トゥキオさん(67)。トゥキオさんがこの村に来て約20年。そのうち12、13年は、この海沿いの家で暮らしている。2022年7月、ベニバツロア村で撮影

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釣りの準備をするロエモニ・トゥビブナさんと孫のロエモニ・ツビブナ・ジュニアくん。 ベニバツロア村の沖合で2022年7月撮影

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防波堤をものともせず、押し寄せる海水は村へと流れ込んだ。2022年7月、ベニバツロア村で撮影

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