ジャクソンホール会議が閉幕
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アメリカの中央銀行FRBのパウエル議長が「適切だと判断すればさらに利上げする用意がある」と発言し、注目を集めました。ジャクソンホール会議は、8月26日に閉幕し、世界中の中央銀行トップや経済学者が参加しました。高橋洋一さんと須田慎一郎さんが、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演し、会議について解説しました。
アメリカに比べて物価は安いが賃金が低い日本
日本にも広く展開している飲食チェーン店がアメリカにもありますが、同じ塩サバ定食でも日本では1000円弱で食べられますが、アメリカではなんと5400円もします。
飯田: 5400円、5倍もするね。
須田: 「5倍もする」とみんな驚くでしょうが、その分、所得が大きいんです。初任給で50万円ぐらいもらっていますから。やはり日本の物価は安いけれども、明らかに賃金や収入は低いんだと思います。
雇用が堅調であれば多少、失業率が高くても大したことではない ~物価より雇用が重要
飯田: その意味で言うと、アメリカは好循環なの?
高橋: いま物価の話をしていますが、本当は失業率を見るべきです。アメリカの失業率も日本と大差ありません。アメリカの失業率が下がり、日本の失業率も下がっても、通常はアメリカの方が2%くらい高いです。
飯田: 通常は。
高橋: それがあまり大差ないということは、アメリカが絶好調だということです。少しの物価上昇などは大した話ではありません。
飯田: 雇用が堅調であれば。
高橋: そうですね。雇用が最後の砦なんです。失業率が高くても、仕事があれば大したことではありません。みんな「物価が上がった」と言いますが、本当に重要なのは雇用です。
日本では記者会見で雇用についての質問には厚生労働省が答えるが、アメリカでは中央銀行が答える ~高度成長期が長かった日本では、「雇用されるのが当たり前」だと思われている
須田: そういう認識は日本では薄いですよね。
高橋: 日本では記者会見などで、雇用の話には厚生労働省が答えますが、アメリカでは労働省ではなく中央銀行が対応します。
飯田: 失業率に関してなど。
高橋: 金融政策は雇用に影響するから意味があるんです。雇用と物価は裏腹なんです。物価対策をしているようで、実は雇用対策を同時に行っているんです。
飯田: 同時に。
高橋: しかし、日本にはその感覚がないので、つい厚生労働省に聞いてしまいます。雇用の話についても高度成長期が長かったので、みんな意識が薄いんです。「雇用されるのが当たり前」だと思っています。
飯田: 未だに感覚的には完全雇用のような考え方があります。
高橋: 雇用の話に関心があるのはほんの少数です。労働経済学者でも、こういうことを理解できないんです。
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