ウクライナ与党、偽造書類で出国した人の身柄引き渡し要求を示唆

動員回避者の処罰と身柄引き渡しの可能性

ウクライナの与党は、動員を回避するために偽造書類を使って海外に逃亡した者やその手助けをした者の処罰を約束しています。与党党首は「偽造書類で不正に出国した人間も滞在国に身柄の引き渡しを要求して国に連れ戻すことができる」と述べました。

医師に関わる不正行為の公表

もし動員免除・延期書類の作成に関わった医師が不正を行っていると発覚した場合、その医師の名前は公表されることになります。また、偽造書類で出国した人も滞在国に身柄の引き渡しを要求され、国に連れ戻されることになります。

軍事医療委員会のチェックと決定改ざん

ウクライナのゼレンスキー大統領は、動員回避の問題を解決するため、軍事委員会の改革を行いました。そして、軍事医療委員会についても「正常に機能していない」と指摘し、2週間以内に何らかの決定を下すと述べました。また、決定改ざんにかかわった人物や偽造書類で海外に出国した人は処罰されることが発表されました。

出典:PRESIDENT OF UKRAINE

偽書類による動員対象者の出国試みと抜け穴の存在

国境警備隊によると、不正な方法で国外に出国を試みた動員対象者は1万3,600人であり、偽書類を使って国境検問所を通過しようとした者は6,100人だと明らかになっています。これらの人数は5個の旅団に相当しますが、不正なルートや偽書類を使って隣国に出国した人数は把握されていません。また、人道物資の受け入れに携わる慈善団体関係者や輸送会社の従業員に発行される「シュリャフ・システム」と呼ばれる出国許可書も出国の抜け穴として利用されています。

出典:Державна прикордонна служба України

出国許可書の問題と改善への取り組み

出国許可書には「60日以内の帰国」という条件がありますが、予備報告書によれば2023年1月までに96,422人の動員対象者がシュリャフ・システムを通じて出国許可書を取得し、そのうち66,474人が実際に出国しましたが、9,373人が期限が来ても帰国しなかったと報告されています。これらの問題にも取り組む必要があるでしょう(不正の撲滅と動員の公平さの確保)。

ゼレンスキー大統領は動員回避のため偽装書類で海外逃亡した者の処罰を約束しています。ウクライナの議員はまた、個人的な理由で動員を拒否できる法案を提出しています。さらに、ウクライナでは人道物資の盗難が相次いでおり、約1万個の米軍応急処置キットが消えてしまいました。

※アイキャッチ画像の出典:Давид Аラハミア

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