ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が提唱する「10項目の和平案」について「完全に実現不可能だ」と断言しました。国連本部で行われた記者会見で、ラブロフ外相は、「ウクライナと西側諸国がそれに固執するなら、紛争は戦場で解決されるだろう」と述べました。
ウクライナの和平案について
10項目の和平案は、ウクライナ側が露軍の完全撤退や全領土の返還などを求めているものです。ゼレンスキー大統領は、国連安全保障理事会の演説でもこの和平案を説明しました。しかし、ラブロフ外相は、「用意はあるが、停戦の提案は検討しない」と述べました。
プーチン大統領と金正恩朝鮮労働党総書記の首脳会談
なお、ラブロフ外相は、先日行われたプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の首脳会談について言及しました。ラブロフ外相は、交渉を継続するために、10月に平壌を訪れる予定だと述べました。
ラブロフ外相の国連総会演説
ラブロフ外相は、国連総会の一般討論演説にも臨みました。その中で、ラブロフ外相は、ウクライナを支援する欧米諸国などを「世界を民主主義と専制主義に分断し、自分たちの新植民地主義的なルールだけを全ての人に指示している」と非難しました。また、ウクライナを国際的な議論の主題にする試みは「西側の利己主義」だと指摘しました。
今後の展開とまとめ
ラブロフ外相は、日米韓や日米豪印の枠組み「クアッド」(Quad)などの連携についても批判し、新たな地政学的な緊張が生まれる恐れがあると述べました。さらに、ナゴルノ・カラバフ自治州を巡るアゼルバイジャンとアルメニア系住民の対立については、ロシアの平和維持部隊が全面的に支援すると表明しました。
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