懸賞金800万円、顔写真が全国に掲示…それでも凶悪犯が捕まらない理由とは?「重要指名手配犯」逮捕の難しさ

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大分県別府市で2022年6月に大学生が車にはねられて死亡したひき逃げ事件で、全国に指名手配されている八田與一容疑者。警察庁は9月8日付で彼を「重要指名手配」と指定しました。この指名手配が全国的な注目を浴びるほど、彼の逮捕は困難なのです。

重要指名手配とは

「重要指名手配」とは、巨悪犯罪など全国的に捜査が必要な被疑者を指定することを意味します。顔写真と特徴が全国の警察官と共有され、交番や商業施設、駅などにポスターが掲示されます。この指名手配には、過去に13人の犯罪者が指定されています。しかし、彼らは逃走を続け、未だに逮捕されていません。そのうち11人は10年以上も逃亡生活を送っています。

重要指名手配犯

捜査の難しさとは

なぜこれほどまでに重要指名手配犯は捕まらないのでしょうか。佐々木成三氏によれば、2018年に起きた富田林署逃走事件で、大阪から広島まで自転車で逃亡した犯人の例を挙げます。「顔写真と実際の顔の表情が全く異なる」と彼は説明します。

捜査の難しさは顔写真の信頼性にあります。犯罪者は逮捕を逃れるために様々な手段を講じます。また、時間が経つにつれて容姿や特徴も変化してしまいます。そのため、捜査当局は顔写真だけに頼って犯人を特定することは難しいのです。

被害者遺族の思い

このような捜査の難しさにも関わらず、犯罪被害者の遺族はあきらめずに闘い続けています。先述の八田與一容疑者の場合、事件から既に数ヶ月が経過していますが、被害者の家族はSNSを通じて情報を発信し続けています。彼らは事件を風化させず、犯人の逮捕と正義の回復を願っています。

「もしかしたらもう逮捕されずに、永遠に未解決事件のままなのかもしれないと落ち込んでしまうことも正直あります。それでも一縷の望みは捨てきれず、インスタグラムでアカウントを作りました。このまま時間に埋もれて忘れられてしまうのはやはりつらいものです。25年前に両親と祖母を亡くし、それまで生きてきた私の人生も奪われ、まったく違う人生を構築してきました。犯人は奪った命を返してはくれません。奪った人生、時間も返してはくれません。逃げ隠れしてないで罪は償うべきだと今でも思っています」と彼らは語っています。

捜査は続きます。被害者の家族や捜査当局は、犯罪者が逃げ続ける限り、正義を貫くために闘い続けます。

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