ザポリージャ州の戦い、前進停滞も大きな動きなし

ウクライナ軍はザポリージャ州での戦闘を続けていますが、約1ヶ月ほど大きな進展はありません。視覚的な証拠も減少し、年内にトクマクに到達することはほぼ不可能とされています。

ザポリージャ州も前進停滞、南ドネツクと同様の状況

ウクライナ軍は9月下旬、ベルベーヴ西郊外での防衛ラインを突破し、ロボーティネのノヴォプロコピフカ集落に到達しました。しかし、それ以降の進展は確認されておらず、ベルベーヴ方向のウクライナ軍は押し戻され、ロシア軍がノヴォプロコピフカ集落を支配しています。

ザポリージャ州の戦況
出典:GoogleMap ザポリージャ州の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

現在の視覚的な証拠は依然として存在していますが、9月と比べるとその数は半分程度まで減少しています。ザポリージャ州も南ドネツクと同様に前進が停滞しているとの印象を受けます。

個人的には「冬が来る前にベルベーヴやノヴォプロコピフカを解放するのではないか」と期待していましたが、現状を考えると「年内にトクマクに到達する」ことはほぼ不可能であり、ウクライナ軍がアゾフ海もしくはメリトポリへの到達を果たすことが本当に可能な目標なのか疑問に感じざるを得ません。

ウクライナ南東部の戦況
出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

さらに、2024年の攻勢計画も米国からのウクライナ支援資金が確定しない限り進展が望めません。現在は戦場ではなく、政治や外交の動きが重要な時期と言えます。一方で、ロシア軍によるアウディーイウカへの攻勢は「バフムートの再現」との懸念もあり、ウクライナの状況は非常に厳しいと言わざるを得ません。

ゼレンスキー大統領は、エネルギーインフラへの攻撃に対して報復する意思を示しています。南ドネツクではロシア軍がポジションを改善し、ウクライナ軍は戦線を維持しています。また、ウクライナ軍参謀本部はアウディーイウカ方面の攻撃を全て撃退したと発表しています。バフムートではウクライナ軍がアンドリーフカから線路の東側に前進し、クピャンスクではロシア軍が消耗部隊を送り込んでいます。

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

記事のソースリンク:日本ニュース24時間