スペインのレオノール皇太子、18歳に 立太子の宣誓

スペインのレオノール皇太子(Crown Princess Leonor)が18歳の誕生日を迎え、議会で憲法原本を前に宣誓を行います。これにより、祖父フアン・カルロス1世(Juan Carlos I)の時代にスキャンダラスな出来事に巻き込まれたスペイン王室は新たな節目を迎えることになります。

レオノール皇太子の宣誓による法的後継者としての地位

宣誓によって、レオノール皇太子は国王である父フェリペ6世(King Felipe VI)の法的後継者となり、国王不在の場合は自動的に国家元首となります。彼女は最近、自身の称号を冠したアストゥリアス皇太子賞(Princess of Asturias Awards)の授賞式に出席し、「私の義務と責任を十分理解し、自覚している」と語っていました。

スキャンダルに悩まされた祖父のフアン・カルロス1世

レオノール皇太子の祖父であるフアン・カルロス1世は、1969年に独裁者フランシスコ・フランコ(Francisco Franco)総統に後継者に指名されて宣誓を行いました。彼はフランコの死後、1975年に即位し、独裁体制にあったスペインの民主化推進に貢献し、国民から尊敬を集めました。しかし、最近では愛人問題やマネーロンダリング(資金洗浄)への関与などが報じられ、その名声は地に落ちました。スキャンダルと健康問題に悩まされながら、彼は2014年に退位し、20年にはアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビに亡命しました。

皇太子は左派の間でも人気

レオノール皇太子の父であるフェリペ6世は、即位後、フアン・カルロス1世の財産相続を放棄し、王室メンバーの「行動規範」を導入するなど、スキャンダルまみれの父親から距離を置いています。彼女は祖父とは異なり、君主制に反対する左派の間でも人気を集めています。しかし、誰もが熱烈に応援しているわけではなく、マドリードでは共和制支持者が集まり、皇太子の宣誓式を「歴史的に堕落し、市民からの乖離(かいり)が激しい」制度を「認める行為」として非難しています。また、カタルーニャ自治州やバスク自治州の政党や極左政党の議員らも式典への不参加を表明しています。

彼女の教育と将来の道

レオノール皇太子はスペイン語の他にフランス語、英語、カタルーニャ語を話すことができ、ガリシア語とバスク語も学んでいます。彼女は今年の5月に英国ウェールズの全寮制のUWCアトランティック・カレッジ(UWC Atlantic College)で高校課程を終了し、国際バカロレア資格(国際的に認められる大学入学資格)を取得しました。また、8月からはスペイン北東部のサラゴサにある陸軍士官学校で3年間の軍事教練を受けています。彼女は陸軍を始め、海軍、空軍の士官学校でそれぞれ1年間学び、その後大学課程を修了予定です。

この記事の元のソースは日本ニュース24時間の公式ウェブサイトです。