新しい肥満症治療薬が登場し、治療が困難な分野にまで広がることで、アメリカのヘルスケア体制に大きな変化が訪れるかもしれません。この朗報は、シカゴで開催された今週のロイター・イベント・トータル・ヘルス会議で発表されたものです。
新たな治療薬の特徴
新しい肥満症治療薬は「GLP-1」という分類に属しています。この薬は血糖値の調整、消化の遅延、食欲抑制の仕組みで働きます。現在、複数の製薬会社がこの薬の開発に取り組んでいます。
ゼップバウンドの承認
米食品医薬品局（FDA）は、イーライリリーが開発した肥満症治療薬「ゼップバウンド」（一般名チルゼパチド）を承認しました。これにより、「GLP-1」に分類される肥満症治療薬としては2番目の承認となります。また、既に「マンジャロ」という名前で2型糖尿病治療薬として販売されています。
ウゴービの登場
デンマークの製薬大手ノボノルディスクが開発した「ウゴービ」（一般名セマグルチド）は、2021年に肥満症治療薬として承認され、糖尿病治療薬としては「オゼンピック」として既に販売されています。
治療領域の拡大
米国立衛生研究所（NIH）のローレンス・タバック主席所長代理は、トータル・ヘルス会議でのインタビューで次のように述べています。「脳の満腹部位だけでなく、依存症を制御する可能性のある他の部位の制御という点で、これは何らかの劇的な新しい可能性を開く」と。NIHの支援を受けた研究はまだ進行中であり、「非常に多くのことが進行中」であり、副作用の可能性もありますが、「肥満症や代謝一般、おそらく他の依存的症状などを制御する全く新しい可能性を開く」と述べました。
肥満薬への期待
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスの米ヘルスケア担当トップ、ジョン・ドリスコル氏は、「GLP-1分類薬剤には莫大な需要があるため、こうした薬剤はヘルスケアの体験を変える可能性がある」と述べました。
この新たな肥満症治療薬の登場は、治療が困難な分野の患者にとって希望の光となるでしょう。今後の研究や開発にも注目です。
