救急車の到着が遅れ、郵便局職員の消防団任命へ

救急車の到着までの時間が増加し続けています。通報を受けてからの所要時間は平均9分半で、過去20年で約3分長くなりました。この増加の原因は通報件数の増加にあります。このため、津市では救急車到着までの救急活動を消防団に任せる取り組みを始めるなど、各地の消防が迅速な対応を迫られています。

津中央郵便局の対応

津中央郵便局では、14人の職員が消防団員に任命されました。自宅や職場の近くで救急車の到着が遅れる可能性がある場合に、通信指令センターから呼び出されます。その間、止血や骨折の固定、心臓マッサージなどの応急処置を行います。彼らは来年3月から現場での活動を開始し、自動体外式除細動器(AED)の使い方なども学びます。

写真:読売新聞

消防団の取り組み

津市消防本部によると、近隣の企業の消防団が救急車到着までの応急処置を担う取り組みは全国で初めてです。2026年までに10社で合計100人の団員を目指します。通常、特定の時間や活動だけに参加する事業所の消防団は珍しくありませんが、救急活動に関与する例は少ないと言われています。

救急車の到着までの時間の延長

救急車の到着までの時間が延びている理由を考えると、通報件数の増加が挙げられます。総務省消防庁によると、通報からの平均所要時間は2001年には6分12秒でしたが、2021年には9分24秒になりました。救急車の出動件数も増加し、2022年には過去最多の722万9,838件に達しました。

その他の取り組み

埼玉県蓮田市消防本部では、昨年3426件の救急出動があり、これまで最も多くなりました。そこで、事務職員による「日勤救急隊」の導入を開始しました。メンバーは消防学校で専門的な救急業務について教育を受け、救急緊急時に出動します。また、救急隊の導入に合わせて救急車を1台購入し、計5台に増やしました。その結果、他の消防本部への応援要請は減少し、新たな課題に柔軟に対応することができるようになりました。

日本ニュース24時間