日本政府に対して、韓国国内に居住する日本軍慰安婦被害者に対する損害賠償の支払いを命じる初めての控訴審判決が23日に宣告されました。この判決は、故クァク・イェナムさん、故・金福童(キム・ボクトン)さんの遺族や李容洙(イ・ヨンス)さんなど、原告団16人が日本政府を相手取って起こした損害賠償請求訴訟でのものです。一審では「国際法上の『主権免除』により訴訟は成立しない」との判断が下されましたが、二審では逆の結論となりました。
判決の内容と争点
ソウル高裁民事33部(ク・フェグン裁判長)は、日本政府に対し、李容洙さんら被害者1人当たり2億ウォン(約2300万円)と、これに対する遅延損害金の支払いを命じる判決を下しました。この裁判の争点は、過去に日本が韓国を占領した状態で韓国民を日本軍慰安婦として強制動員した行為に対する主権免除が認められるかどうかでした。
2021年の一審では、「日本による慰安婦被害者への性的関係の強要は日本による(違法な)主権行為であり、主権免除が認められる」との判断が下されました。しかし、今回の控訴審では、「日本が韓国領土で韓国民に行った不法行為に対し、主権免除が認められないとする国際慣習法があると考えるのは妥当」としながらも、「日本は1930年代後半から40年代初めまで被害者を拉致、脅迫し、慰安婦生活を強要した不法行為に対して損害賠償すべきだ」と判断しました。
裁判長は、「主権免除の法理は他国の裁判所が裁判権を一切行使できないとする『絶対的免除』から、非主権的行為に対しては主権免除が認められないとする『制限的免除』へと徐々に発展してきた」と説明しました。また、イタリア最高裁や他の判決事例も参考にしながら、主権免除を認めない内容の判決が数多くあることを指摘しました。
裁判の重要性と今後の展開
この判決は、日本政府による慰安婦問題を巡る訴訟で初めての賠償命令となります。日本と韓国の関係が緊張を抱える中、被害者らにとっては大きな勝利となりました。
現在、この判決に対して日本政府はどのような手続きを取るのかが注目されています。一方、被害者や支援団体は判決を受けて喜びの声を上げています。
この問題は歴史的な遺産であり、未解決のままでは日韓関係に深刻な影響を及ぼす可能性があります。今後、日本政府や関係者は真摯に問題解決に向けて取り組む必要があります。
(ソースリンク: 日本ニュース24時間)