ブラジルのサンタカタリーナ州シャンシェレ市の労働裁判所で起きたオンライン法廷での一幕が問題視され、国家法務審議会(CNJ)が裁判官キスマラ・ブルストリン氏の行動を調査することが決まりました。ブルストリン氏は審議中、証人が彼女を「エセレンシア(閣下)」と呼ばなかったことに怒り、礼儀が欠けていると叫びました。「エセレンシア」と呼ばない場合、証言は完全に無視されると主張し、批判が広まりました。
怒鳴りつける裁判官、証人男性に厳しい叱責
ブルストリン氏に対する調査は、彼女が証言していた男性に対して怒鳴りつける映像がSNSで広まったことから始まりました。問題の法廷では、興奮した様子の裁判官が証人男性に対して「あなたは私に対してこう話さないといけません。『何をご希望なさいますか、閣下? お答えいただけますでしょうか。お願い致します』です!」と叱責し、自分に対して敬意を払うべきだと主張しました。
男性は困惑した様子でうろたえ、それに対して裁判官は声を荒げて「(閣下と)言いたくなければ言わなくてもいいが、もし言わなければ、あなたの証言はここで終わり。証言は完全無効となる」と言い放ちました。さらに、彼女は証人に向かって「口汚い男」と叫びました。
礼儀に反する行動に対する調査
CNJは、ブルストリン氏が「弁護士、当事者、証人に対する礼儀など、司法固有の義務に違反した」可能性があると判断し、調査を行います。また、同労働裁判所はブルストリン氏が行った裁判の即時停止を決定しましたが、この決定によって保留中の判決や手続きには影響がないことを説明しています。
ブラジル弁護士会(OAB)のシャンシェレ市支部は、裁判官のこのような行為が繰り返されないようブルストリン氏に対して措置を講じるよう要請しました。
裁判官の給与にも注目
また、ブルストリン氏の給与や手当に注目が集まっています。彼女の月給は3万3925レアル(約120万円)であり、1月から10月までの諸手当支給額は5万8920レアル(約177万円)に達していたと報じられています。この法廷での一件により、裁判官の特別待遇に対する注目が一層高まっています。
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