イスラエル防衛軍(IDF)の主力戦車「メルカバ」は、ハマスの攻撃にも耐えながら驚くべき防衛システムを発揮していることが、ハマス側が公開した動画から明らかになりました。
イスラエル防衛軍のメルカバ戦車、攻撃を受けても疾走
米国の軍事メディア「ザ・ウォー・ゾーン」によると、ハマスのロケット砲攻撃から自らを守るメルカバの動画がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて公開されました。この動画は、現在IDFがガザ地区で行っている地上作戦の様子を映しており、ハマスが撮影したものとされています。
動画の最初の場面では、メルカバが攻撃を受けながらも高速で通りを走行している姿が捉えられています。ハマスが使用した武器は明確ではありませんが、さまざまなロケット砲(RPG)攻撃を受けたことが分かります。この動画から、メルカバのアクティブ防衛システム(APS)「トロフィー」が確実に機能していることがわかります。近くで爆発が起こった場合でも、メルカバは損傷することなく走行を続けました。また、別の場面では停止しているメルカバが敵の攻撃に反応し、トロフィーシステムが作動する様子がより鮮明に映っています。
メルカバの防衛システムの価値が証明される
ザ・ウォー・ゾーンは、「都市では敵と非常に近く、様々な建物などに隠れながら、走行する戦車に対して待ち伏せ攻撃ができる有利な環境となるからだ」と述べています。動画でもメルカバは非常に高速で移動している姿が確認できますが、このような環境では兵士たちは外の状況を把握することが難しいのです。
メルカバはイスラエル軍を代表する武器であり、海外の技術を使用して独自に開発されました。最新のメルカバ4は、脅威となる対戦車ミサイルやロケット砲を迎撃する「トロフィー」が搭載されています。最高速度は時速64キロで、120ミリ(4.7インチ)MG253戦車砲や60ミリ内蔵型迫撃砲などで武装しています。IDFは開発に5年を費やし、「第5世代メルカバ」として知られる「バラク」を2023年9月に公開し、即座に戦闘に投入しました。
APSの設計による全方位の防衛能力
APSは対戦車ミサイルやロケット砲、対戦車榴弾などからメルカバを守るために開発されました。APSは高い高度と範囲をカバーし、360度全方位の防衛が可能です。具体的な構成は車両によって異なりますが、通常は小型レーダーの配列とハードキル・システムが搭載された複数の発射機からなっています。メルカバは停止中でも移動中でも迎撃することができます。
この動画は、都市での戦闘に投入される戦車に装着されたAPSの価値を証明しています。メルカバの驚異的な性能は、イスラエル軍の防衛力を高める重要な要素となっています。
(記事の情報は以下のリンクから引用しました:日本ニュース24時間)
参照リンク: Yahoo!ニュース